2013 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児の「気になる不器用さ」の行動的翻訳による描線活動支援効果の実証的研究
Project/Area Number |
23330249
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
鶴巻 正子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 明子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10259210)
佐藤 拓 いわき明星大学, 人文学部, 助教 (10577828)
高谷 理恵子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (90322007)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 気になる不器用さ |
Research Abstract |
本研究は十分な早期支援体制がとられにくい低出生体重児を対象として,指導方法がいまだ確立されていない協調運動や手先のぎこちなさなど「気になる不器用さ」を行動的翻訳により描線動作の問題として解明し,その結果を支援方法と教材開発に反映させることにより,描線活動への効果を縦断的研究により実証的アプローチをとおして明らかすることを目的としている。 1.包括的子育て支援プログラム:出生時の体重が2500グラム以下の幼児を対象として,幼児教室と親教室を同時開催で月1回のペースで8回実施した。クラスを2つに分け,1時間のプログラムを2クラスずつ,計16クラスを実施した。参加幼児は2クラス合計で11名であった。幼児教室では社会性や全身運動遊び,リズム遊びや「かく」活動を取り入れ,親教室では子育て相談や社会的資源に関する情報提供等を行った。 2.「気になる不器用さ」の行動的翻訳:低出生体重児とそれ以外の幼児(4~6歳児),発達障害の児童を対象に,図形模写の評価とアイトラッキングによる視線追跡調査を実施した。 3.日本特殊教育学会において自主シンポジウム「幼児期における低出生体重児の発達支援」を開催してこれまでの経緯を報告するとともに,保幼小の連携や不器用さのとらえ方などについて参加者と意見交換を行った。 なお,本研究の推進にあたっては,前述の各項目においてプライバシーや個人情報の保護に十分に気をつけ,人権の保護及び法令の遵守に万全の配慮を行った。また,各実施項目の推進にあたっては,研究者グループの所属機関の研究倫理規定に基づき各倫理審査委員会の審査を受けるとともに,協力者(保護者)に対してはすべてインフォームド・コンセントを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者,研究分担者,研究協力者による打ち合わせを綿密に行いながら3年目に計画した研究実施計画の内容に即して順調に実施してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
実証的研究と調査から構成され研究内容が広範囲にわたっていることと研究分担者・研究協力者の人数が多いことから,研究組織メンバーによる打ち合わせをH25年度と同様にほぼ毎週実施し今後の研究を遂行していくこととする。平成26年度の包括的子育て支援プログラムの推進と「気になる不器用さ」の行動的翻訳の実施,地域における公開シンポジウムの開催,アイトラッキングを用いた調査を含め研究実施計画の内容に沿って推進していく。
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