2013 Fiscal Year Annual Research Report
子どものコミュニケーション・チェックリスト日本版の標準化と日英語用障害などの比較
Project/Area Number |
23330276
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大井 学 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70116911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 博 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00248270)
権藤 桂子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90299967)
槻舘 尚武 国際基督教大学, 教育研究所, 研究員 (80512475)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 自閉症 / SLI / CCC-2 |
Research Abstract |
東京都公立小学校の通級指導学級(言語障害)に言語発達の遅れを主訴として在籍する児童と、通常学級のみに在籍する児童を対象として、CCC-2とSCQを保護者に、LDI-R(「聞く」「話す」の下位項目)を通級担任に実施した。また、医療機関でASDの診断を受け、かつ知的障害のない小学生の保護者にCCC-2を実施した。それらの結果に基づき、SLI傾向がある群(SLI群)、TD群、ASD群に分類した。そして、SLI群(21名)、TD群(32名)、ASD群(60名)のCCC-2各下位尺度の粗点を比較した。粗点は問題の大きさを意味する。 【結果】分散分析と多重比較の結果、SLI群は「音声」「文法」「意味」「首尾一貫性」「ステレオタイプ化された言語」「文脈の利用」「非言語的コミュニケーション」「興味関心」の下位項目でTD群より平均値が有意に高かった。また、ASD群よりも「音声」は有意に高く、「発話の不適切な開始」「非言語的コミュニケーション」「社会的関係」は有意に低かった。 【考察】語用関連項目のうち「発話の不適切な開始」はASDのみで問題がみられ、「非言語的コミュニケーション」はSLIよりASDで問題が大きかった。これらは相手に話しかけるタイミング、表情の理解や適切な距離感など、音声言語使用の背景をなす社会的認知に関係する。一方、「文脈の利用」と「ステレオタイプ化された言語」ではSLIとASDの有意差はみられなかった。これらは音声言語使用そのものに関わる。これまで語用の障害はASDの特徴と考えられてきたが、その一部はSLIにおいてもみられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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