2012 Fiscal Year Annual Research Report
マッカイ対応とホモロジカルミラー対称性に関わる導来圏の研究
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23340011
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上原 北斗 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80378546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 幸伸 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20503882)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 連接層の導来圏 |
Research Abstract |
三角圏上のfull exceptional collection全体の集合にmutationと呼ばれる操作とshiftによって, braid群とZ自由加群の半直積の作用が入る.Bondalらによってこの作用はtransitiveであると予想されていて, 実際del Pezzo曲面などある種の代数多様体の導来圏に対してこの予想は肯定的に解かれている。私は阪大の大川新之助氏との共同研究で、-2曲線を含む線織曲面に関してこの予想を考えた。この曲面は‐2曲線があるためにtwist関手と呼ばれる自己同値があり、そのためにdel Pezzo曲面よりはるかに多くのexceptional対象があり、それがこの問題を難しくしている。我々はまずそのような曲面上のexceptional対象がどれだけあるかという問題を考え、いくつかの非自明な限定条件を得た。さらに、具体的なexceptional collectionを具体的なtwist関手で移した時にそれがどのようにbraid群とZ自由加群の半直積で元のexceptional collectionと結びつくかを見た。 さらに我々は代数多様体がfull exceptional collectionを持てば、有理的かという問題にも取り組んだ。我々はこの問題をfull exceptional collectionでベクトル束からなるものに限定し、その直和の自己準同型環上の加群のモジュライ空間を考え、その安定性条件を変えることでこの問題にアプローチをし、上記問題自身には直接寄与できなかったものの、モジュライ空間に関していくつかの考察を与えることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に書いた2つの問題はどちらも非常に有名で難しい問題であり完全には解けてはいないが、1つめに関しては、かなり具体的な結果がわかってきた。2つ目に関しては、直接的な結果を得ていないが、副産物としてquiverのモジュライ空間の安定性の変化に関して、興味深い考察を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究実績の概要で書いた2つの問題をやり続けたい。1つ目に関しては、同様の曲面上の自己同値群を決定した私と広島大の石井亮氏との共同研究が役に立つはずである。特にexceptional対象の決定では、同論文のspherical対象の決定した箇所が宅に立つはずであるからそれを考えたい。 2つ目に関してはminifoldと呼ばれるfull exceptional collectionをもち,ピカール数が1のものに関して、この予想を考えたい。
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Research Products
(2 results)