2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23340018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 吉昭 東北大学, 知の創出センター, 特任教授 (40101076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森吉 仁志 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (00239708)
佐古 彰史 東京理科大学, 理学部, 准教授 (00424200)
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40211221)
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90244409)
小谷 元子 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50230024)
綿村 哲 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00201252)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非可換幾何学 / 変形量子化 / シンプレくティック多様体 / 岩沢理論 / 非可換多様体 / 離散幾何学 / T-双対性 / 一般幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
数論、代数幾何学、微分幾何学、トポロジー、それに数理物理、素粒子論を中心として、非可換な対象物を扱い、新しい幾何学の流れを構築することを目標においている。本研究の特徴は、基軸となる研究である変形量子化問題と非可換幾何学を推進し、これによる微分幾何学の非可換化(量子化)を確立させ、それを発展させるという全く新しい立場からの研究を行うことである。特に、Non-formal deformation quantization の手法を用いた、非可換幾何学への応用として、1)複素シンプレクティック多様体の収束変形量子化問題と非可換多様体の構成、Non-formal UDFによる葉層構造の応用、2)K-理論と指数定理の非可換幾何学的アプローチ、3)代数的ホモロジー論や圏論による高次構造(higher structure)、4)ディラック構造や一般幾何学(generalized geometry)の量子化問題とその応用、変形量子化問題による数論への応用、5)T-対称性、量子場の理論、非結合多様体の具体的構成について、統合的な理解を行う。さらに、それを6)数論、7)代数解析、8)複素シンプレクティック幾何学・複素ポアソン幾何学の量子化、9)カテゴリー論・代数位相幾何学等の数学研究分野および場の量子論や超弦理論等の理論物理研究分野を含む様々な問題へ応用する。 関連する離散幾何学では、離散群の非正曲率距離空間への等長的作用が比較的大きい増大度をもつ場合に群の境界から作用する空間の境界への同変写像が存在することを示し、ある種の剛性が導かれる状況について考察した。さらには、数論の研究では、イデアル類群のGalois加群としての構造をRubin-Stark元を用いて表す新しい関係式を得たている。本年度は、以上の研究推進し、研究代表者と研究分担者、さらには連携研究者との研究打ち合わせ、研究討議を行った。また多くの国際会議等へ参加し、成果を積極的に発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者がそれぞれの研究問題を提案し、具体的解決法についての討議を多く重ねた。その結果、研究の推進がより具体的になり、それらが順調に機能し始めている。等質ケーラー多様体上のゲージ理論の性質を詳しく調べ 局所的ゲージ対称性の破れが引き起こす位相不変量への量子補正の存在が明らかになったことや非可換対称空間の構成、非可換ゲージ理論の研究が明確な成果として得られている。本研究では、特に国際研究ネットワークの構築を目指してきたが、非可換幾何学の研究拠点として、国際的に認められる段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、変形量子化を基に非可換幾何学を進展させ、新しい幾何学研究を提案し、その推進を図るために、幾何学を専門とする以外の研究者の協力、特に、代数幾何学、作用素環、整数論、可積分系の研究者を集約っせている。これらの他分野の研究者との討議を重ねていくことで研究推進が行われていく。また、素粒子物理学の研究者との連携も密にしていく。その他海外の関連する研究者との連携も積極的に行う。本研究は今年度が最終年度であり、今までの研究をまとめること、成果の評価を検証する。この研究を発展的にすすめることで、新しい研究方向を見出すことと今までの研究を通して得られた国際研究ネットワークの発展を目指していく。
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Research Products
(17 results)