2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 宣一 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (00334706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 卓也 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (00163832)
谷口 隆晴 神戸大学, その他の研究科, 講師 (10396822)
村川 秀樹 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教 (40432116)
降籏 大介 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80242014)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 数値解析 / 応用数学 / シミュレーション工学 / 有限体積法 |
Research Abstract |
本年度は、非線形問題に対する有限体積法の解析に欠かせない、離散ソボレフの不等式の開発を行った。(直接の離散化手法に関わらず)離散的な楕円型作用素の分数冪に対して、Fujita-Katoの古典的な結果の離散版を構成することで、微分可能性のない関数、すなわち、有限体積解や有限要素解に対しても、自然にソボレフの不等式を導入できた。誤差評価への応用は現在の進行中である。一方で、異方拡散問題に対する、離散最大値の原理について、狙いを逆にして、特定の形状のメッシュに対して、離散最大値の原理が成り立つような係数の条件を導出した。 分担者の研究成果は以下の通り。土屋は、平面上の三角形要素上の関数補間に対する誤差解析の研究を進めた。本年度は、三角形上の高次Lagrange補間に対して、三角形の外接半径を用いた新しい誤差評価式を得た。降旗は、非線形性偏微分方程式に対し構造保存数値解法である離散変分導関数法を適用するというテーマにおいて、本来より弱い、離散非線形問題へ緩和する手法について研究をすすめ、具体的な計算結果を得ることに成功した。谷口は、離散微分形式の理論をラグランジュ力学に基づくエネルギー保存型数値解法と組み合わせることを行った。離散微分形式の理論はベクトルと微分形式の対応のさせ方によっては、有限体積法的なスキームを導出することができる.そのため,これにより、ラグランジュ力学に基づくエネルギー保存型数値解法の有限体積法への拡張が可能になったと言える。村川は、多細胞生物のからだを構成する細胞は、細胞同士が接着したり、細胞外基質に接着して存在している。このような現象は細胞接着と呼ばれる。分担者・村川は細胞接着を記述する数理モデルを提案した。その数理モデルと相性が良い有限体積法を用いて数値計算を行い、実際の実験で確認されている現象を再現することを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに順調に研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の早い時期に、代表者・分担者で打合会を設けて、この1年で、本研究課題のまとめを行うための具体的な項目を整理する。
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Research Products
(40 results)