2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 茂昭 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90205295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
長井 英生 関西大学, 工学部, 教授 (70110848)
三上 敏夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70229657)
石井 克幸 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (40232227)
|
Keywords | 粘性解 / 最大値原理 / ハルナック不等式 / 局所最大値原理 / 比較原理 / 完全非線形方程式 / 動的計画原理 / 最適制御理論 |
Research Abstract |
非有界領域で、低階微分項が一次以上の増大度がある完全非線形偏微分方程式の粘性解の比較原理が成り立つための粘性解の増大度と方程式の係数の増大度の十分条件を研究した。低階微分が二乗の項は、危険鋭感的最適制御や、大偏差原理などの応用があり、本研究の応用の部分の重要な問題である。粘性解の比較原理の仮定として、粘性解の増大度を規定する場合と、下に有界性を仮定して、上には増大度の制限を設けない場合があり、どちらも様々な研究がされてきた。しかし、特に後者は、最適制御の観点から自然と考えられてきた。しかし、下に有界だけを仮定した場合、解が二つある微分方程式の例を発見した。これは、比較原理の結果に矛盾する。よって、本研究では、粘性解に増大度の仮定の下、比較原理を証明した。ここでの仮定は、我々が反例として見つけた微分方程式にも適用できる。更に、非線形項が凸だけでなく、完全非線形の場合や、弱い結合条件下での方程式系へとこれらの比較原理を一般化した。 Lp粘性解の基礎理論に関しては、非有界係数および、非有界非斉次項をもつ完全非線形一様楕円型方程式に対する粘性解のAleksandrov-Bakelman-Pucciの最大値原理が成立するための十分条件を一般化した。この結果を用いて、同じ条件下で、非負粘性優解の弱ハルナック不等式も一般化した。更に、非有界係数・非斉次項の場合に、古典的手法ではハルナック不等式を導けないが、弱ハルナック不等式を応用して粘性劣解の局所最大値原理をまず示し、ハルナックの不等式を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lp粘性解の基礎理論の一つの目標であったハルナック不等式(弱ハルナック不等式・局所最大値原理)に関して、係数および、非斉次項の可積分性をほぼ臨界の場合まで得られた。 非有界領域で、低階項が一次以上の増大度がある場合の粘性解の比較原理を得るために、増大度条件が適切であることが、もう一つの仮定(下に有界だけの条件)では、比較原理が成立しない微分方程式を発見したことにより明らかになった。さらに、その適切な仮定の下で、比較原理を非凸な場合にまで一般化できたのは最初の予想を超えていた。
|
Strategy for Future Research Activity |
更に非局所項のある偏微分方程式の粘性解の一意性等の基礎理論を確立する。特に、低階微分項が一次以上の増大度を持つ場合の粘性解の比較原理を有界領域、非有界領域でそれぞれ研究する。 一方、非有界係数、非有界非斉次項を持った完全非線形方程式の臨界指数の場合の最大値原理や高階微分の評価のCaffarelliの技法を経ない方法を研究する。
|
Research Products
(7 results)