2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 央明 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00311184)
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Keywords | 天文 / 太陽物理学 / プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は、太陽活動のエネルギー源である「磁場の起源」の理解であり、そのメカニズムとしての「ダイナモ」モデルの完成である。具体的には、ダイナモの基本的な要素である、太陽差動回転の自己調和的なモデルの構築・熱対流乱流の効果の定量化・生成した磁束管の星内部でのダイナミクスを本研究期間内に明らかにしたいと考えている。 2011年度は、以下のことを実施した。「(1) 対流層内部自転の差動回転分布の実現」のために、新しいシミュレーション=コードの開発を行った。音速抑制法という新たなアプローチを用いた、ダイナモへの応用には知る限り前例がない計算法である。その成果はHotta et al. (2012)として出版した。また、この新開発コードをもちいて、対流層底付近での磁束管浮上過程の計算を実施した。その成果については現在論文執筆中である。これ以外に、表面付近での磁束浮上過程について3次元シミュレーションを実施、出版した(Toriumi & Yokoyama 2011、2012)。さらに表面付近での磁気熱対流を明らかにするために新たに放射輸送効果を取り入れた磁気流体コードを開発し、超粒状斑現象の研究を実施した。論文を現在執筆中である。 当初の計画では2011年度後半に太陽対流層内部の対流計算を開始する予定であったが、コード開発とその出版作業が遅れた。そこで2012年1月計画を変更し先に磁場浮上の計算を開始することとした。またそのために解適合格子(AMR)コードの開発を前倒しした。磁場浮上の計算は、もともと課題の一部として計画していたものであり、課題全体の推進に変更はない。またAMRコードを新たにとりいれたことで、課題の成果がより高いレベルになると思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上で述べたように、コード開発が若干遅れたため一部計画を変更したが、結果として解適合格子コードが完成し、課題の成果がより高いレベルになると予想されるから。
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Strategy for Future Research Activity |
若干の遅れはあるものの概ね予定通り進んでおり、このまま予定通り計画をすすめたい。特に2012年度から稼働をはじめた東京大学情報基盤センターのFX10システムを用いて、予定していた太陽対流層の計算をはじめたい。
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