2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蓑輪 眞 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90126178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 主税 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター高速実験炉部, 高速炉技術課長代理 (90421768)
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Keywords | 原子炉 / ニュートリノ / 保障措置 |
Research Abstract |
平成23年度は、プラスチックシンチレータ16本を用いた第1次プロトタイプ検出器であるlesser PANDAを用いて試験的な測定をおこなった。測定は中部電力浜岡原子力発電所において、2011年3月上旬から開始した。浜岡原子力発電所3号機の炉心から約40mの位置にlesserPANDA検出器をトラックに積載した状態で設置し、測定を開始した。しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で浜岡原子力発電所3号機が稼働せず、結果として2011年5月中旬まで2ヶ月間のバックグラウンド測定を行うこととなった。 この測定では原子炉のON/OFFに伴うニュートリノフラックスの変動を測定することは出来なかったが、定期的なデータ回収作業を除くと、2ヶ月間の無人運転が可能であること、バックグラウンドの変動が十分に小さいことが確認できた。 lesser PANDAの浜岡原子力発電所での測定終了後、プラスチックシンチレータを36本用いた第2次プロトタイプ検出器PANDA36の開発をおこなった。PANDA36は関西電力大飯発電所の2号機近傍に輸送され、2011年11月中旬から2012年1月中旬までの2ヶ月間測定をおこなった。原子炉は2011年12月中旬に定期検査入りしたため、原子炉稼働中(ON)と停止中(OFF)それぞれ1ヶ月間ずつのデータを取得した。 両者を比較した結果、ニュートリノ由来だと思われる差が確認された。一方でバックグラウンドの大多数が宇宙線の原子核破砕反応で発生した高速中性子による事象であることを解明し、高速中性子バックグラウンド事象と ニュートリノ事象を判別する手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関西電力大飯発電所2号機に検出器を設置させてもらうことができたことが研究の進展の大きな理由である。2号機は予定されていた定期点検により停止したため、計画通り原子炉ONとOFFの両方のデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
更に大きな第3次プロトタイプ検出器を開発し、宇宙線起源の高速中性子によるバックグラウンドを低減し、原子炉ニュートリノ由来の事象のもっと明確な検出を図る。
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Research Products
(8 results)