2011 Fiscal Year Annual Research Report
二重ベータ崩壊探索に向けた大型で高エネルギー分解能CdTe検出器の開発
Project/Area Number |
23340066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 温子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50353371)
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Keywords | 半導体検出器 / ガンマ線検出器 |
Research Abstract |
ニュートリノを伴わない(0ν)二重ベータ崩壊探索を実現するために、大型で高いエネルギー分解能を持つテルル化カドミウム(CdTe)半導体検出器を開発を行った。CdTeは130Teなど二重ベータ崩壊探索に有望な原子核を含むため、二重ベータ崩壊探索の有力な検出器となり得る。しかし、半導体としてのCdTe結晶は、正孔の移動度が小さく再捕獲が顕著なため、厚くすると検出位置によって収集される電荷量が変わってしまい、エネルギー分解能が悪くなるという欠点を持っている。 このような欠点を克服するために、波形情報を用いた新しい方法によるエネルギー高分解能化を進め、前年度には5mm角の素子で662keVで2%(FWHM)の分解能を達成し、15mmx15mmx10mm(厚さ)の素子の製作に成功した。本年度には、これらの素子の性能評価を推し進め5mm角の素子については、1.33MeVで1%(FWHM)のエネルギー分解能を達成したが、15mmx15mmx10mm(厚さ)については、そのエネルギー分解能は3%に留まった。その原因を追究するため、新たに5mm角素子を作成し、バイアス電圧、温度に対する依存性の測定を行うとともに、補正法の改良も行った。その結果、前年度の5mm角の素子と、それ以降の素子ではキャリアの移動度など結晶としての性質に違いがあり、分解能を悪化させていることがわかった。 また、エネルギー分解能を向上するための別の切り口として、薄い素子(15mmx15mmx2mm(厚さ))および異なる電極構造(コプラナーグリッド)の素子の試作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までの5mm角素子での結果より、本年度は15mmx15mmx10mmの素子で目標のエネルギー分解能が達成できると考えていたが、結晶素子の製作時期によって結晶の性質が異なることが判明し、予定通りの分解能を達成することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶自体の性質の制御を行えないかを検討する。 また、薄い素子で大面積化する、あるいは電極構造を変更して正孔吸収の補正を行うことによって、要求性能を満たす検出器を実現する可能性について検討する。
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Research Products
(2 results)