2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しいアクティブ標的を用いた中性子過剰不安定核におけるクラスター相関の研究
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23340068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川畑 貴裕 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80359645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷畑 勇夫 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10089873)
王 恵仁 大阪大学, 核物理研究センター, 講師 (80462670)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アクティブ標的 / クラスター構造 / アルファ非弾性散乱 / 中性子過剰核 / マイクロピクセルチェンバー |
Research Abstract |
本研究では、マイクロピクセルチェンバーを用いて新型アクティブ標的を開発し、不安定核実験の新しい可能性を拓く質量欠損分光法の確立を目指す。さらに、不安定核におけるアルファ非弾性散乱を測定し、中性子過剰核におけるクラスター状態を系統的に探索し、 原子核におけるクラスター相関の機構を明らかにすることを目的とする。 アクティブ標的の検出器ガスは、アルファ非弾性散乱の標的となるヘリウムガスを基本とするが、検出器ガスの特性改善のために少量のクエンチガスを混入させる必要がある。そこで、ガスの圧力や組成を精密に制御できるようガスハンドリング装置の高度化を行うととともに、イソブタン、CO2、CF4の3種のクエンチガスを混合させたガスについて、全圧と混合比を変更しつつ系統的に性能試験を行い、それぞれのガスについての最適の条件を決定した。 さらに、加速器からのビームを用いた性能テストに対応するために、読み出し回路系の高速化を行った。京都大学において新しく開発されたASDボードを導入するとともに、ソフトウェアの開発を行い、400 cps のトリガー発生率に対して安定にデータを取得することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大阪大学核物理研究センター加速器施設の耐震補強工事に伴い、平成24年度中にアクティブ標的性能評価のためのビームタイム配分を受けることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に、加速器からのビームを用いたアクティブ標的の性能試験を実施し、アクティブ標的の位置分解能、エネルギー分解能、レート耐性についての評価を行う。加速器からのビームを用いれば、ビームの入射位置、入射数を制御しつつアクティブ標的に荷電粒子を入射させることができる。 ビームテストでの測定データをもとに、アクティブ標的のヒット情報から、入射粒子および反跳粒子の軌道を三次元的に再構築するための解析アルゴリズムを開発する。 その後、不安定核である12Beをビームとして用いるアルファ非弾性散乱実験を実施する。12Beビームは核子あたり80MeVの18Oビームを9Be標的に照射することにより生成する。入射核破砕反応によって生じた不安定核をフラグメントセパレータによって分離・精製し、 これをアクティブ標的装置に照射する。 測定後は、直ちにデータの解析を行う。国内外の研究者と連携しつつ、中性子過剰不安定核におけるクラスター相関の様相に関する知見を得ることを目指す。
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[Journal Article] Search for alpha condensed state in 24Mg2013
Author(s)
T. Kawabata, T. Adachi, M. Fujiwara, K. Hatanaka, Y. Ishiguro, M. Itoh, Y. Maeda, H. Matsubara, H. Miyasako, Y. Nozawa, T. Saito, S. Sakaguchi, Y. Sasamoto, Y. Shimizu, T. Takahashi, A. Tamii, S. Terashima, H. Tokieda, N. Tomida, T. Uesaka, M. Uchida, Y. Yasuda, N. Yokota, H. P. Yoshida, and J. Zenihiro
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Journal Title
Few body systems
Volume: 54
Pages: 1--4
DOI
Peer Reviewed
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