2011 Fiscal Year Annual Research Report
中心エンジンから解き明かすガンマ線バースト放射機構
Project/Area Number |
23340069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長滝 重博 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (60359643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
固武 慶 国立天文台, 理論研究部, 助教 (20435506)
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Keywords | ガンマ線バースト / ガンマ線放射輸送 / 磁気流体 / ニュートリノ / 一般相対論 / ブラックホール / マグネター / 宇宙定数 |
Research Abstract |
ガンマ線バーストの放射機構(爆発エネルギー、スペクトル、時間変動)を、中心エンジンまで遡って第一原理から解明します。本研究ではこの一連の過程を「ガンマ線バースト中心エンジン」、「相対論的ジェットの伝搬」、「ガンマ線伝搬過程」の3つのパートに分類し、それぞれのパートの研究精度を上げ、最終的にそれらを統合することにより、ガンマ線バースト放射機構に対する世界最先端の理解を目指します。 パート1「ガンマ線バースト中心エンジン」 長滝が開発した一般相対論的磁気流体コードにより、大質量星に於けるガンマ線バースト形成のシミュレーションを行いました。重力崩壊の結果、高速回転しているブラックホールが中心に形成されたと仮定し、ブラックホールの回転エネルギーがBlandford-Znajek過程によってどの程度引き抜けるのか、またその引き抜きによってガンマ線バーストジェットは形成出来るのかということを数値シミュレーションによって検証しました。その結果、より高速回転するブラックホール程、より強力なジェットを噴出することが明確に示されました。このようなシミュレーションは現在我々のものを含めて世界に二例しか報告がありません。 パート2「相対論的ジェットの伝搬」 長滝と、共同研究者の水田晃氏(KEK)により、相対論的なガンマ線バーストジェット伝搬のシミュレーションを行いました。またその光球面からの熱的放射の足し合わせを計算し、観測的に知られているガンマ線バーストの光度・エネルギー関係式をほぼ説明することが出来ました。 パート3「ガンマ線伝搬過程」 長滝と、共同研究者の伊藤裕貴氏(京大)により、ガンマ線伝搬モンテカルロシミュレーションを行いました。結果として、ガンマ線バーストの特徴的なスペクトルの再現に成功しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要にありますように、全ての研究パートに於いて初期成果を挙げることが出来ました。また研究計画当初では想定していなかった、ガンマ線バーストの光度・エネルギー関係式の再現やガンマ線バーストの特徴的なスペクトルの再現に成功しました。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ当初の計画以上に研究は進展している。しかし今年度に於いては、来年度研究代表者が組織委員長を務める国際会議「Supernovae and Gamma-Ray Bursts 2013」の準備時期にさしかかる。この組織委員には研究分担者の固武氏、連携研究者の伊藤氏も含まれている。準備のために多少研究遂行の時間を割かれることも予想されるので、今後一層共同研究の連携を深め、研究の効率をあげると共に更なる共同研究者を募り、より確実に研究遂行することを目指す。
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Research Products
(31 results)
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[Journal Article] Can electron distribution functions be derived through the Sunyaev-Zel'dovich effect?2011
Author(s)
Prokhorov, D.A., Colafrancesco, S., Akahori, T., Yoshikawa, K., Nagataki, S., Seon, K.-I.
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Journal Title
Astronomy & Astrophysics
Volume: 529
DOI
Peer Reviewed
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