2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三森 康義 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (70375153)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子ドット / 光誘起縦電場効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体量子ドット中の励起子分極の光誘起縦電場効果を解明するために、III-V族自己形成量子ドットにおいて2パルス-フォトンエコー法によりフォトンエコー信号の減衰形状の励起強度依存性の測定を行った。フォトンエコー信号の減衰形状には強い励起強度依存性が出現し、弱励起時では、シグナルが2つの励起パルスの遅延時間の増加と共に立ち上がり、ある遅延時間から指数関数的減衰に転じる異常な振る舞いを観測した。励起強度を上昇すると、シグナル強度のピーク位置は遅延時間0に近づき、強励起下では、2成分の指数関数的減衰曲線を示した。この測定結果に対して光誘起縦電場効果を考慮したブロッホ方程式により解析した結果、フォトンエコー信号は2つのレーザーパルスにより誘起された分布数差の空間的な変調に起因した回折格子による回折で発生する過程以外に、光誘起縦電場効果による共鳴周波数の周波数変調効果の空間分布により新しく生成された回折格子により信号が発生する過程があることが明らかになった。この新しく生成された回折格子の時間的挙動はベッセル関数で表され、特に弱励起時は1次のベッセル関数で表現でき、それによりフォトンエコー信号の立ち上がりや、励起強度によるピークシフトが現れることが解明できた。一方、強励起時は分布数差による回折格子によるフォトンエコー信号の発生が支配的になり、減衰形状が指数関数的振る舞いを示すことが明らかになった。この光誘起縦電場効果による励起子分極の共鳴周波数変調効果で誘起される非線形光学効果は、従来の電場の冪級数展開で表される非線形分極では記述できないため、物性のみならず、非線形光学においても非常に大きな知見を得られたと考えられる。また、単一量子ドットにおいても、励起光の入射角度、偏光方向を工夫することで共鳴発光を用いた励起子ラビ振動の観測も成功し、光誘起縦電場効果に起因するラビ振動の測定を行った。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Observation of bound and antibound states of cavity polariton pairs in a CuCl microcavity2014
Author(s)
S. Matsuura, Y. Mitsumori, H. Kosaka, K. Edamatsu, K. Miyazaki, D. Kim, M. Nakayama, G. Oohata, H. Oka, H. Ajiki, and H. Ishihara
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 89
Pages: 035317/1-6
DOI
Peer Reviewed
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