2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノカーボン物質における量子制御とナノカーボン・フォトニクスの開拓
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23340085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 一成 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (40311435)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / グラフェン / 励起子 / 発光効率 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボン物質は、線形バンド分散など既存物質にはない特徴を有している。そのような新物質において、特異に発現する様々な量子物性の理解・量子状態の制御・応用が現在重要な課題である。これまでの研究からナノカーボン物質の一つ、カーボンナノチューブでは、励起子コヒーレンスが長時間保持されており、量子効果を観測するのに適した系であることが明らかとなった。本研究では、ナノカーボン物質を舞台に特異な量子状態を観測、新たな機能性・物性の発現を目指して研究を行った。 ナノカーボン物質、特にカーボンナノチューブが、光制御可能な量子デバイスとして機能しうるかどうか明らかにすることが重要である。我々はその課題のために、カーボンナノチューブに酸素ドーピングを施し、ポテンシャルの低い局所状態を形成し、そこでの発光特性を詳細に調べた。これまでカーボンナノチューブの発光効率は、一般的に1%程度と低く、またその起源について議論がなされてきた。これは、励起子の空間拡散の移動度が高く、カーボンナノチューブ中の欠陥や端に衝突するためである。そのため、酸素ドーピングによって作製したポテンシャルの低い局所状態に励起子をトラップすることで、それらのプロセス抑制し、そこで効率良く発光させることに成功した。その結果、発光効率を18倍(18%)まで劇的に高めることに成功した。また、非線形発光分光を利用して、この局所状態が量子二準位系として働きうることを明らかにし、高い効率での単一光子発生の可能性を広げるものであると考えられる。また、グラフェンナノ構造などにおいて、その発光の起源などについて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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