2011 Fiscal Year Annual Research Report
6-6型高圧発生装置を用いた新奇希土類プニクタイドの創製
Project/Area Number |
23340092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 ちひろ 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60261385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 圭生 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70352060)
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Keywords | スクッテルダイト化合物 / 高圧合成 / 希土類化合物 / X線その場観察 / 放射光 / 新物質探索 |
Research Abstract |
希土類プニクタイドは、重い電子状態、非BCS超伝導、多極子転移など強相関電子系に特有な多彩な異常物性を示す物質が多く含まれており、物性研究者にとって魅力的な物質群である。しかし、リン、ヒ素などの蒸気圧の高い元素と高融点の遷移金属元素、希土類元素の組み合わせからなるプニクタイドの合成は非常に困難である。特に、詳細な物性研究には不可欠な純良単結晶試料の育成は極めて困難である。このような物質の合成に高圧合成法は強力な試料合成手段の一つである。本研究では、新たな高圧合成システムを開発し、高圧環境下における試料の合成条件、単結晶育成条件を"その場観察"することにより決定し、迅速かつ効率的な新物質探索を可能にし、新奇希土類プニクタイドを創製し、特異な超伝導や磁性の発現を目指すことを目的としている。 新たな高圧合成システムとして、既設の1段押しのキュービックアンビル型高圧発生装置(UHP-500、室蘭工業大学)に組込み用のアンビルガイド及び先端サイズ6mm角と4mm角の2種類の2段目アンビルを作製し、6-6型高圧装置を構築した。実際に、キュービックアンビル装置(UHP-500)に取付け、予備実験を行い、先端サイズ4mm角で8万気圧まで問題なく加圧されることを確認した。さらに、高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光利用施設(PF)に設置されているキュービックアンビル装置(MAX-80)に今回作製したアンビルとアンビルガイドからなる組立集合体を取付け、高温高圧下における試料合成過程のX線その場観察を行った。実験はスクッテルダイト化合物RhAs_3,BaRu_4As_<12>,および(Pr_<1-X>Ce_X)Ru_4P_<12>について、出発物質として、組成比どおりの元素粉末の混合物を用い、高圧力下の試料合成過程のX線その場観察を行い、最適な合成条件を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り6-6型高圧装置を構築し、予定していた圧力を安定して発生させることが可能であることが確認でき、放射光実験での有効性も確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに高い圧力を安定して発生できる装置の開発と今年度に開発したシステムを用いて、新規物質の探索を行う予定である。
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Research Products
(5 results)