2014 Fiscal Year Annual Research Report
6-6型高圧発生装置を用いた新奇希土類プニクタイドの創製
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23340092
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 ちひろ 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60261385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 圭生 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70352060)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スクッテルダイト化合物 / 高圧合成 / 希土類化合物 / X線その場観察 / 放射光 / 新物質探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
希土類プニクタイドは、重い電子状態、非BCS超伝導、多極子転移など強相関電子系特有の多彩な異常物性を示す物質が多く含まれており、物性研究者にとって魅力的な物質群である。しかし、リン、ヒ素などの蒸気圧の高い元素と高融点の遷移金属元素、希土類元素の組み合わせからなるプニクタイドの合成は非常に困難である。特に、詳細な物性研究に不可欠な純良単結晶試料の育成は極めて困難である。このような物質の合成に高圧合成法は強力な試料合成手段の一つである。本研究では、新たな高圧合成システム(6-6型高圧システム)を開発することにより、高圧環境下における試料の合成条件、単結晶育成条件を迅速に決定し、効率的な新物質探索を可能にする。さらに、開発したシステムを用いて、新奇希土類プニクタイドを創製し、特異な超伝導や磁性の発現を目指すことを目的とする。 高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光科学研究施設(PF)に設置のキュービック・アンビルプレスに6-6型高圧装置を組み込んだ高温高圧下X線その場観察実験技術を確立し、最適な試料合成条件を迅速に決定できるようになった。その結果、充填スクッテルダイト化合物CeFe4As12、GdFe4As12などの純良試料の合成、SrOs4P12などの新規化合物の合成に成功した。さらに、得られた試料について、さまざまな物性測定を行い、新たな知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、6-6型高圧システムを用いた高温高圧下X線その場観察実験技術を確立し、この技術を用いて得られた情報を基に高圧合成を行い、多くの純良試料の育成、新規物質の合成に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光科学研究施設(PF)の共同研究に今年度採択された課題(2015G031)において、6-6型高圧システムを用いた高温高圧下X線その場観察実験を行い、合成条件の確立していない試料の純良試料育成条件を決定する。また、新規物質の探索を行う。さらに、その場観察実験の結果を基に高圧合成を行い、得られた試料に関する基礎物性測定を行う予定である。
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Research Products
(10 results)