2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導ルネサンス-銅酸化物母物質はモット絶縁体か?
Project/Area Number |
23340098
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
内藤 方夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40155643)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高温超伝導 / モット絶縁体 / MBE、エピタキシャル / 銅酸化物 / 母物質超伝導体 |
Research Abstract |
これまで、銅酸化物母物質は反強磁性モット絶縁体であり、高温超伝導はモット絶縁体に正孔または電子のいずれかをドープすることにより発現すると考えられてきた。しかし、研究代表者らは、2008年に、酸素欠陥を取り除くことにより従来モット絶縁体と考えられてきたNd2CuO4(T')構造(四配位)銅酸化物母物質の超伝導化に成功し、銅酸化物母物質が普遍的にモット絶縁体であることに疑念を提示してきた。 平成25年度は、T'構造同じく平面四配位構造を持つ無限層構造銅酸化物に焦点をあて、スパッタ法により作製したエピタキシャル薄膜を用いて、低ドープ領域(0.00≦x≦0.10)のTcのドープ量依存性を精密に調べた。無限層構造銅酸化物の一般式はSr1-xRExCuO2(AE:アルカリ土類元素、RE:希土類元素、Tcの最高値は45K)。Cuのみかけの価数が+2より低いため、「電子ドープ超伝導体」のカテゴリーに分類されているが、超伝導発現に必要な最低ドープ量は確立していない。高圧合成により作製された多結晶試料ではTcはドーピング量に対してドーム状の曲線を描くのではなく、x = 0.05以下の低ドープ域でも超伝導のオンセットのTcは最高値45Kのままほとんど変化せず、超伝導体積分率が減少する。このふるまいは過剰酸素を除去したT'銅酸化物に対する相図と類似しており、ドープ量の減少とともにTcが低下する(いわゆるアンダードープ)領域がない。スパッタ膜でも類似のふるまいが観測され、現在までのところx = 0.05までは超伝導性が確認された。 連携研究者のNTT・山本グループでは、UC Berkleyとの共同研究により母物質超伝導体T'-Pr2CuO4のシュブニコフ・ドハース振動の観測に成功し、振動周期はフェルミ面の面積がほぼハーフ・フィルドであることを示した。この結果はノンドープ状態がバンドメタルであることを強く支持している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)