2013 Fiscal Year Annual Research Report
光パルス励起テラヘルツFT-ESR法によるダイナミックスピン系の解明
Project/Area Number |
23340103
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河本 敏郎 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70192573)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光物性 / 磁気共鳴 / レーザー |
Research Abstract |
現有のフェムト秒レーザー再生増幅システムの出力光のパルス幅の圧縮を行うことで,高強度かつ広帯域のテラヘルツパルス光源を製作し,広帯域化した光パルス励起テラヘルツFT-ESR装置の開発を行った。この改良によって,ダイナミックスピン系に対する適用範囲を大きく広げることができる。 まず,中空ファイバー内の自己位相変調を利用したスペクトル広帯域化とその後の分散補償により,光パルスの圧縮を行う。希ガスを封入した窓付き加減圧容器の中に石英中空ファイバー(500mm)を直線的に設置し,再生増幅器の出力光(800nm,150fs,1mJ)を中空ファイバー内に通すことによって自己位相変調を起こし,スペクトル幅を広げる。次に,負分散ミラーペアで複数回反射させることによって分散補償を行い,チャープした光のパルス圧縮を行う。希ガスを封入した中空ファイバーを利用すると,ファイバーが空間モードフィルタとして機能するため非常に優れたビーム品質と集光性能が得られることが実証された。本研究では,希ガスとしてアルゴンを使用した。中空ファイバーを出た光パルスのスペクトルをマルチチャンネル分光器でモニターしながら,負分散ミラーペアを経た光のパルス幅が最小となるようにアルゴンガスの圧力を調整した結果,パルス幅30fsの圧縮光パルスが得られ,パルス幅を1/5に圧縮することに成功した。この圧縮光パルスとLiNbO3結晶を用いたチェレンコフ型の光整流法を適用して,広帯域かつ高強度のテラヘルツパルス光源を製作し,この光源を用いることによって,広帯域化した光パルス励起テラヘルツFT-ESR装置を開発することができる。 マルチフェロイック物質であるCuOにおいて,テラヘルツ時間領域偏光分光とワイヤーグリッド偏光子を利用したテラヘルツ領域の偏光分光の実験を行い,磁気起源および多音子起源の信号の検出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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