2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 慎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10401150)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / 原子・分子物理 / 低温物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで、極低温の41カリウム87ルビジウム混合気体を光格子に導入することで、8ミリ秒の寿命をもつゆるく束縛した分子の生成に成功した。しかしより高い位相空間密度をもつ分子気体の生成のためには、上記の混合気体中の非弾性散乱を低減し、高密度化することが必須である。ところで、フェッシュバッハ共鳴近傍では、エフィミフ状態と呼ばれる、無限個の3体束縛状態が出現し、3個の原子間の非弾性散乱レート、および原子とフェッシュバッハ分子間の非弾性散乱レートに大きな影響を与えることが知られている。エフィモフ状態は同種原子の系については近年、その理解が非常に進んだが、異核原子の系については、その存在は確認されているものの、実験例がほとんどなく、またあっても理論との大きな乖離がある。我々は、41K-87Rb混合系を用いて、異核のエフィモフ状態に関して新しい知見を得ることを目標とした。 我々の第一の成果は、ボソン混合系における、3体ロス係数の精密な測定方法の開発である。我々は非破壊イメージングによって、測定における初期原子数のゆらぎの影響を取り除くことに成功した。我々のもう一つの成果は、原子とフェッシュバッハ分子間の2体の非弾性散乱レートにおけるエフィモフ共鳴の観測である。測定されたロス係数の共鳴を示す散乱長(a*)はカリウムの同位体を用いた別の研究室の測定とわずかな差が見られた。この差の起源はフェッシュバッハ共鳴の性質の違いに起因すると考えられるため、フェッシュバッハ共鳴のパラメーターを取り入れた理論を構築する必要を示している。 我々は以上の結果を日本物理学会2014年秋季大会、及び第70回年次大会にて口頭発表した。また、コロラド大学と理論グループと共著で論文を準備中である。 また、さらに信号のS/Nをあげるため、ナノテクネットで位相コントラストイメージング用の位相板の作成を行った。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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