2014 Fiscal Year Annual Research Report
火星の地下に巨大な海が存在したか―新しい仮説の提唱と複合的アプローチによる検証
Project/Area Number |
23340126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 英昭 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (00312992)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 火星 / 水循環 / 火星探査 / 地下水 / 洪水 / メタン |
Outline of Annual Research Achievements |
火星にはかつて磁場や大量の水が存在していたことが明らかになったことから、生命が誕生していた可能性が議論されている。本研究はここで重要となる火星における海と湿潤気候の有無について、「地下に海が存在した」という全く新しい仮説を提唱するとともに、火星固有の水循環の様式について検討しており、さまざまな水循環を示唆する地形に着目してマッピングを行っている。 特にアウトフローチャネルの上流部に相当するメラスカズマやジュバンテカズマにおいてもRSLと呼ばれる季節変動する地形が数多く見つかったことの着目して解析を行い、その成果を論文にまとめ投稿しただけでなく、日本の火星探査計画MELOSにおける主要な着陸候補地点として、同計画の立案に大きく貢献した。さらにNASAの火星探査計画Mars2020Roverの着陸候補地点としても提案に至っている。さらにクリュセ地域南部におけるアウトルローチャネルの調査から、この地域の巨大洪水は実際にはアマゾン代中期に生じていたとする結論を得て、論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな目的の一つは、現在の火星における液体の水の存在を明らかにしたうえで、この循環の可否を知り火星探査計画に反映することであった本研究の過程で、あらたにリカリング。スロープ・リニアと呼ばれる地形が液体の水に関連していることを明らかにでき、その結論を基に火星における生命の直接探査という可能性について検討することができた。これに関連し、NASAの火星探査機計画の着陸候補地点の提案につなげることができた。さらに本研究の内容は、日本の火星探査計画MELOSの立案おいて大きな役割を果たした。このことから、研究年度の途中ではあるが、大きな目標を既に達することができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで続けている流水地形、リカリング・スロープ・リニアや泥火山に関する解析を継続する。また、新たにダークパッチと呼ばれる新しい泥火山のような形状が見つかったので、この解析を進める。研究計画の最終年度であることから、これまで行ってきた研究をまとめて論文として出版することを続ける。
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