2013 Fiscal Year Annual Research Report
数値モデルを用いた超大陸サイクルとマントル対流の熱的・力学的相互作用の解明
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23340132
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 晶樹 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 主任研究員 (00371716)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マントル対流 / 数値シミュレーション / 超大陸 / 大陸リソスフェア / パンゲア / プルーム / 超大陸サイクル / 降伏応力 |
Research Abstract |
本年度の前半では、三次元全球マントル対流数値シミュレーションプログラム(ConvGS)に組み込むパンゲア超大陸のデジタルデータを作成した。まず、シドニー大学の研究者らが中心となって開発されている「プレート復元ソフトウェア:GPlates」から、2億年前におけるパンゲア超大陸の海岸線のデジタルデータを抽出した。次に、抽出したデータをConvGSに直接入力できるデータフォーマットにコンパイルした。この作業と同時に、大陸を考慮しない状態でのマントル対流のシミュレーションを実施した。本研究では、コアからの加熱がある場合(Case Q1)とない場合(Case Q2)の二つのパターンに加え、最も重要なパラメーターである海洋リソスフェアの降伏応力の値を80 MPaから200 MPaの範囲でさまざまに変えた。 本年度の後半では、パンゲア超大陸マントルの表層に設置した。このとき、パンゲア超大陸の粘性率は海洋プレートの粘性率よりも100倍大きくした。まず、大陸を移動させず空間的に固定したまま、海洋プレートのプレート境界の分布が時間的にほぼ安定になるまで計算し、その後、大陸を移動させて2億年間計算した。 その結果、Case Q1、Case Q2のいずれの場合でも、限られた降伏応力の値(本研究もモデルでは、120 MPa程度)で、パンゲア超大陸の分裂と分裂した大陸の移動が確認された。この結果は、コア・マントル境界から積極的な上昇プルームがない場合でも超大陸の分裂と大陸移動が実現することを示唆する。つまり、大陸プレート周辺の海洋プレートを含む地球上の全プレートが複雑に相互運動することによって生まれるプレート境界力が超大陸の分裂とその後の大陸移動に重要な影響を及ぼすことを意味する。 本研究で得られた知見は、今後、現在の地球の大陸配置を再現し、2億年前から現在までのマントル対流の変動を理解する上で重要となるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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