2013 Fiscal Year Annual Research Report
極域海洋における熱塩循環駆動プロセスの数値モデリング研究
Project/Area Number |
23340138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽角 博康 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (40311641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 義正 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (70631399)
草原 和弥 北海道大学, 低温科学研究所, 特任助教 (20707020)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 熱塩循環 / 極域海洋 / 数値モデル |
Research Abstract |
全球海洋大循環モデルに、1.重力沈降流における混合、2.潮汐、3.氷床-海洋相互作用の物理プロセスを取り入れ、これらのプロセスが深層水形成および熱塩循環に及ぼす影響を評価するための数値実験を実施した。1.に関しては顕著な影響が及ぶことが示されなかったが、今回の設定ではこのプロセスが効果的に働くのに十分な高解像度ではなかった可能性がある。2.に関しては、潮汐の存在が南極大陸周囲の海氷分布(沿岸ポリニヤを含む)への影響を通して南極大陸棚上での高密度水形成を顕著に活発化すること、生成された高密度水が周囲の海水との混合によって失われる割合が潮汐によって大きくなること、および高密度水の大陸斜面上への流出が潮流による非対称的な輸送によって促進されることが示された。特に東南極アデリーランド沖で形成された高密度水流出に関しては、潮汐によって質量流出が20%程度増加することが示された。流出した高密度水が外洋の深層水となる過程で受ける混合過程(エントレインメント)については上述の通り十分に表現できなかった可能性があり、その定量的な評価を与えることが今後の課題として残された。3.に関しては、氷床-海洋相互作用過程が存在することにより南極周囲の深層水形成を起源とする熱塩循環は10%程度小さくなること、および気候温暖化のもとでは氷床融解が促進されるためにこの熱塩循環の弱化がより顕著になることが示された。一方、南極周囲の個々の棚氷について気候温暖化に対する応答を見ると、融解がほとんど促進されないものがあり、融解水の存在自体が作る流れがそこに影響していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)