2011 Fiscal Year Annual Research Report
赤道域対流圏界面領域オゾンのライダーによる高分解能観測
Project/Area Number |
23340143
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長澤 親生 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (80145664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 泰邦 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10305419)
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Keywords | 赤道大気 / 対流圏界面 / オゾン / ライダー / 物質輸送 |
Research Abstract |
本研究は、赤道域インドネシアに既設のライダーをベースに、新たに対流圏界面のオゾン濃度の高度分布が観測可能な差分吸収ライダー機能を付加することにより、これまで試みられたことの無い赤道域対流圏界面のオゾン濃度の高い時間分解能と高い高度分解能観測を行う。成層圏のオゾンは、赤道域でもっともオゾン生成量が多く、子午面循環で両極へ輸送され、また対流圏との交換の大きい場所であると考えられているにも関わらず、この領域のオゾン観測情報は極めて不足している。本研究では、従来の時間分解能および空間分解能の低い衛星観測や観測頻度の少ないバルーン観測を凌ぐ高分解能の観測により、赤道対流圏界面から下部成層圏のオゾン濃度の高度分布およびオゾンをトレーサーとする物質輸送や波動伝播に関する観測情報を得ることにより、気候変動の解明に寄与することを目的とする。 当該年度は本研究の要である差分吸収ライダーについて、赤道域における最適波長の組み合わせを、適切な大気モデルを用いたシミュレーションにより求めた。赤道域は対流圏界面高度が高いため、高緯度、中緯度とは異なる波長選択が必要となることが明らかとなった。次に、決まった波長(300nm)を発生させる最適な色素の選択と高調波発生用結晶の選択を行い、仕様を決定した。仕様に基づき、パルスYAGレーザー及び望遠鏡を入手し、基本性能のチェックを行った。一方、メンテナンスの必要な色素レーザーの代わりに非線形結晶を用いた、全固体紫外レーザーシステムの検討を行った。 インドネシアに設置するための組立式コンテナを入手し、インドネシアに輸送した。また現在インドネシアに設置している高機能ライダーの共鳴散乱ライダーに用いている色素レーザーのメンテナンスを行うとともにコンテナの設置場所などの調査・打合せを行い、コンテナ設置のための基礎工事を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物品の納品に一部遅れがあったため、国内での試験観測が予定より若干遅れているが、その他は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシアへの荷物の輸送に関して23年度にトラブルが発生したため、24年度以降はインドネシア受入機関であるLAPANと緊密に連絡をとり、ライダー本体の輸送を行う必要がある。
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Research Products
(3 results)