2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元全粒子シミュレーションによる月面磁気異常と太陽風の運動論的相互作用の研究
Project/Area Number |
23340148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
臼井 英之 神戸大学, その他の研究科, 教授 (10243081)
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Keywords | 月面磁気異常 / 粒子シミュレーション / 太陽風 |
Research Abstract |
かぐや衛星により月面近傍での太陽風イオン反射や粒子加熱が頻繁に観測され、月面磁気異常と太陽風の相互作用が強く示唆されている。磁気異常のスケールは太陽風イオン慣性長と同等またはそれ以下であり、この相互作用の本質的理解にはMHD近似ではなく太陽風プラズマの粒子効果を含めた解析が必須である。そこで本研究では、特にイオンスケールから電子スケールを含む高度100kmまでの領域に着目し、そこでの小型磁気圏形成とそれに関連した境界層電流形成、衝撃波や磁気リコネクション現象、その他プラズマ不安定性について3次元全粒子シミュレーション解析を実行し、波動粒子相互作用に基づく月面磁気異常領域のプラズマ環境を解明する。 平成23年度は、月面での異常磁場と太陽風の相互作用に関するかぐや衛星観測データ解析結果の検討を行い、太陽風プラズマの反射や異常磁場上空での電場の存在についての知見を得た。これらの知見に基づき、本研究で実施するプラズマ粒子シミュレーションにおけるモデリング検討を行った。先ずは、太陽風相互作用の基本的な現象を把握するため、比較的実施が容易である2次元空間におけるモデリングおよび基礎シミュレーションを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究において2次元モデリングのための準備に少し手間取った。H23年度からH24年度にかけて実施した2次元シミュレーションの初期結果から、太陽風プラズマの興味深い応答、電子とイオンの運動差によって生じる磁気異常上空での強い電界を持つ領域の形成等が明らかになった。平成24年度は引き続き2次元シミュレーションを実施し、そのデータ解析を本格的させ、太陽風プラズマ挙動および磁場構造上空での電場形成に着目したい。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は、月面磁気異常の代表的な領域の一つとして知られているライナーガンマ領域を例にとり、ダイポール場と太陽風の相互作用に関する基礎的な2次元粒子シミュレーションを行い、磁気異常上空におけるプラズマ空間分布および電界形成の解析を行う。小規模磁場領域ではイオンは非磁化的な振る舞いをすると予想されるが、電子は磁場に捕捉されるため、イオンと電子の挙動の違いによる電荷分離電界が局所的に発生し、それによってイオンも間接的に小型磁場の影響を受けることが予想される。この点に関して、前年度実施した2次元シミュレーションを用いて詳細解析を進めるとともに、3次元シミュレーションの準備も行う予定である。。
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Research Products
(3 results)