2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒマラヤ山脈の上昇・削剥・冷却史とモンスーン変動史の研究
Project/Area Number |
23340156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 治孝 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10251612)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大陸衝突 / ヒマラヤ山脈 / 造山帯 / モンスーン / 変成岩ナップ |
Research Abstract |
ヒマラヤの高度変成岩ナップの先端部と,その下位の低度変成岩から成るKunchaナップに挟まれた剪断帯MCTzoneの変成度は,藍晶石帯から十字石帯,ザクロ石帯へMCTからの距離が増加するほど低くなる。泥質片岩中の石英脈は,南フェルゲンツの延性変形を受けおり,藍晶石帯では,石英脈中に藍晶石が少量の斜長石と伴に含まれる。ザクロ石と藍晶石は石英脈の直近でのみ粗粒であり, 藍晶石は石英脈の周囲にのみ産しており,石英脈を形成した流体の活動が藍晶石帯の変成ピーク前後に起き、Si、Al、Na、Caが流体中に含まれ運搬されたことを示す。この流体活動の温度圧力条件は約8kbar,600℃と見積もられた。石英脈は変成作用の昇温期とピーク変成時に,系外から流入した流体の証拠である。また片理面を切って貫入する電気石脈の存在は,ピーク変成以降も含ホウ素流体の流入が続いたことを示す。電気石の極間のCa/Na分配から,その形成温度は約530-590℃と推定された。このような流体の起源は,各変成分帯の構造的下位に存在する,低変成度の変堆積岩類に求められる。大量の石英脈や電気石濃集帯の存在は,MCTに沿う変成帯の上昇時に,MCTzoneの流体圧が高く,それによってナップ下底の摩擦抵抗を減少させ,ナップの運動を促進した可能性を示唆する。一方Kunchaナップの起源を明らかにする目的で砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定を行ない,Kuncha層は約19~18億年前,Naudanda層は約18~17.7億年前の堆積物から成り,カナダや北中国の下部原生界に対比されること,また約19億年前の超大陸コロンビアの分裂に伴い形成されたことが判明した。ナップに覆われたレッサーヒマラヤの現地性の原生界には変成雲母が生成し,砕屑性ジルコンは鉛ロスを被っており,ナップは被覆した時少なくとも350℃以上を保持していたことを示す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)