2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340172
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
松村 宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 准教授 (30328661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末木 啓介 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (90187609)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核反応 / 米国立フェルミ加速器研究所 / ミュー粒子 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地形変化プロセス研究で活躍する地表岩石中の宇宙線生成核種を利用した地形変化年代測定法に,新手法を提案・確立することを目的とする。具体的には次の2テーマがある。それぞれについて当該年度に実施した研究の成果を記述する。 ①マグネタイトを用いた新しい年代測定法の確立 岩石中マグネタイト鉱物は,地形変化年代測定のための試料としての理想的要件を揃えていることに着目。マグネタイト中の長半減期宇宙線生成核種の加速器質量分析法を開発し,地形変化年代測定法の確立を目指す。これまで確立した手法を基に日本各地の産地のマグネタイト試料を使って分析実験を行った。現在のところ,これまで確立した手法では異なる試料に対して統一的な分析ができておらず手法の確立にはまだ検討が必要である。 ②ミュー粒子による放射性核種の生成率測定 地中の宇宙線生成核種の深度分布は精度良い年代を与えるが,地中深くの最大寄与であるミュー粒子による生成速度が不確定である。反応機構そのものが良くわかっていないため,加速器で生成させたミュー粒子を標的に照射する実験を行い,核反応機構を研究する。2014年度9月に米国立フェルミ加速器研究所の120GeV陽子加速器のNuMIビームコースに照射実験用の標的を設置した。当初同年度中に測定実験を行う予定であったが,加速器のトラブルでビーム運転開始が遅れたため,2015年度に測定実験を延期していた。結果的に照射を2015年6月まで延べ約200日行うことができた。6月下旬から7月上旬まで現地に17日間滞在し,照射試料の回収,核反応生成物の測定を行った。試料は日本に持ち帰り,引き続き測定を行った。銅標的において速ミュー粒子誘起核反応が光核反応に酷似していることを明らかにしていたが,今年度行った金標的においても速ミュー粒子誘起核反応が光核反応に酷似しているという重要な知見が得られた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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