2011 Fiscal Year Annual Research Report
2重コルゲート遅波構造を用いた広帯域パルス表面波発振器の研究
Project/Area Number |
23340173
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小椋 一夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40214093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 晃 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00270934)
山家 清之 新潟大学, 自然科学系, 助教 (90452474)
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Keywords | 表面波発振器 / 高次モード / 周期的コルゲート / 遅波電磁波源 / 同軸円筒導波管 / 電子ビーム / 冷陰極 / パルスパワー |
Research Abstract |
100kV以下の弱い相対論的エネルギーの電子ビームを用いて,広帯域において周波数が可変な大電力遅波マイクロ波・ミリ波電磁波源である広帯域パルス表面波発振器の研究を目的とする。遅波電磁波源の周波数をミリ波帯まで上げるため,周期的コルゲートの表面波の使用と2重コルゲート構造の共振器を提案している。本年度は,2重コルゲートによる遅波共振器の分散特性および周波数制御とモード制御にについて調べた。 2重コルゲート構造としてオーバーサイズ同軸円筒遅波導波管を用いその分散特性および遅波不安定性を数値解析した。内外導体の表面波の分散特性と表面波相互の影響について明らかにし,内外導体のパラメータを変え,表面波および高次モードの分散特性を制御する可能性について検討した。また,円環状電子ビームによる表面波励起や高次モード励起につて数値計算により調べた。 外部制御信号による繰り返し運転が可能な小型パルスパワー電源を用いた高繰り返し安定化パルス・システムを整備し,我々の提案しているディスク型冷陰極を用いた電子ビーム源へ応用するための基礎データを収集した。また,ディスク型冷陰極の動作特性を調べ,陰極電圧-電流特性を測定した。さらに,陰極の雰囲気ガスの効果を調べるためガスモニタを設置した真空系を準備した。 ディスク型冷陰極を用いて得られた電子ビームにより,100kV以下の弱い相対論的エネルギー領域で動作するパルス表面波発振器の実験を行った。表面波動作に加え高次モードでの発振動作が可能であることを明らかにした。実験ではKバンドにおいて表面波による後進波発振器実験を行い,Kバンドより高い高次モードによる動作を調べるため,U,E,F,D,G,Y,Hの各バンドの導波管測定系を準備し測定を行った。表面波の4倍程度の約100GHzまでの周波数帯域において,高次モードによる放射が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的の中で,平成23年度分として計画していた高繰り返し安定化パルス・システム,冷陰極を用いた電子ビーム発生,弱い相対論的パルス表面波発振器実験および2重コルゲート遅波構造の電磁場特性と遅波相互作用の解析が予定通り終了したことにより,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的を達成するため平成24年度は,前年度に引き続き高繰り返し安定化パルス・システム,冷陰極を用いた電子ビーム発生,弱い相対論的パルス表面波発振器実験および2重コルゲート遅波構造の電磁場特性と遅波相互作用の解析を行うと同時に高次モード励起の条件を明らかにしていく。さらに数値解析および実験結果を踏まえて,新たに2重コルゲート遅波構造を設計し製作する予定である。
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Research Products
(5 results)