2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁場構造形成において静電ポテンシャルが果たす役割の解明
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23340174
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
内田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
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Keywords | 磁気再結合 / 閉磁気面形成 / 電位計測 / 電子サイクロトロン共鳴プラズマ / 静電ポテンシャル / イオンビームプローブ |
Research Abstract |
本研究の目的は、LATE装置で電子サイクロトロン共鳴加熱・電流駆動によって引き起こされる自発的磁気面形成過程において、静電ポテンシャルが果たす役割を実験的に解明することにある。本研究遂行のためにはプラズマに擾乱を与えること無く静電ポテンシャルを測定できるイオンビームプローブ計測装置を設計・製作することが一番の要である。今年度は、これまでの準備研究を更に進め、以下のようにイオンビームプローブ計測装置の構築を行なった。 (1)Naゼオライトを母材とし、水溶液置換法によりK+およびRb+イオンソースを製作した。テストベンチにて、18kVの加速電圧の時、それぞれ90μA、15μAのビーム電流を引き出すことができた。 (2)LATE 10B下部ポートに検出ビームラインを設置した。このビームラインの終端に取り付けるエネルギー分析器のスリットまでイオンビームを導くために、ビームラインにトロイダルおよびポロイダルデフレクターを取り付けた。 (2)LATE装置赤道面に可動式ビーム位置検出器、エネルギー分析器スリット位置に3x8マトリクス型位置検出器を設置し、トロイダルおよびポロイダルスイーパー電圧、ならびにトロイダルおよびポロイダルデフレクター電圧を制御することにより1次ビームをエネルギー分析器スリット位置にある3x8マトリクス型位置検出器まで導くことができた。これにより、トロイダルおよびポロイダルスイーパー、ならびにトロイダルおよびポロイダルデフレクターが正常に機能していることが確認できた。 (3)ビーム軌道計算コードの計算結果と(2)の実験結果を比較し、計算コードを改良して軌道計算精度の向上を行なった。 (4)検出ビームライン側でビームがトロイダル方向に数cmも広がってしまうことがわかった。原因は入射ビームのトロイダル方向速度成分がゼロで無いことに起因すると考えられる。トロイダル方向速度成分を低減するために四重極レンズを使用することとし、その動作テストをテストベンチにて行ない、ビーム集束特性を確認した。 (5)30°入射型平行平板電極と分割板電極を用いたエネルギー分析器、真空容器、回転機構付き架台の設計、製作を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LATE装置に入射ビームラインおよび検出ビームラインを取り付け、ビーム偏向を行なうトロイダルおよびポロイダルスイーパー、ならびにトロイダルおよびポロイダルデフレクターが正常に機能していることが確認できたことと、エネルギー分析器部分の設計が完了し、製作までこぎつけたことは予定通りである。ただ、ビームがトロイダル方向に予想以上に広がってしまっていたため、急遽四重極レンズを使用して対処することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はエネルギー分析器の調整・較正を行なった後、LATE装置に取り付け、ビームプロファイルを確認し、プラズマをつけて2次ビームの検出を試みる予定である。これらはすべて予定通りであり、現状より達成可能であると考えられる。
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Research Products
(2 results)