2012 Fiscal Year Annual Research Report
磁場構造形成において静電ポテンシャルが果たす役割の解明
Project/Area Number |
23340174
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 磁気再結合 / 閉磁気面形成 / 静電ポテンシャル形成 / 電子サイクロトロン共鳴加熱 / 重イオンビームプローブ / 電位計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、LATE装置で電子サイクロトロン共鳴加熱・電流駆動によって引き起こされる自発的磁気面形成過程において、静電ポテンシャルが果たす役割を実験的に解明することにある。本研究遂行のためにはプラズマに擾乱を与えること無く静電ポテンシャルを測定できるイオンビームプローブ計測装置を設計・製作することが一番の要である。今年度は昨年度に引き続き、以下のようにイオンビームプローブ計測装置の構築を進めた。 (1) 検出ビームライン側でビームがトロイダル方向に広がってビーム輝度が減少するのを防ぐために導入を決めた四重極レンズをテストベンチで4種類のイオンソースに対して特性を評価した。その結果、イオンソースによって電極電圧を微調整する必要があることがわかった。 (1) 、四重極レンズを LATE 装置の入射ビームラインに取り付け、四重極レンズ電圧を変えて1次ビームの位置と形状をワイヤープローブとエネルギー分析器スリット位置にあるマトリックス型検出器とで測定した。その結果、調整は非常に微妙であり、位置検出精度も高める必要があることがわかった。 (2) 静電ポテンシャルの計測点は、トロイダルおよびポロイダルスイーパー電圧 V_TS、V_PS ならびにトロイダルおよびポロイダルデフレクター電圧 V_TD、V_PD の組み合わせにより決まる。イオン軌道計算に基づき、エネルギー分析器まで2次ビームをガイドできる電圧の組み合わせを求めた。また、1次ビームの場合についても計算し、1次ビームを用いたビーム位置・形状計測実験で活用した。 (3) 昨年度設計・製作した 30°入射型平行平板電極と分割板電極を用いたエネルギー分析器を真空容器内に固定する作業を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エネルギー分析器の組み立てと真空容器への取り付け、ならびにイオン軌道計算コードの開発は順調に進んでいる。一方、ビーム集束のための四重極レンズ電圧を変えた時のビーム位置・形状調整は非常に微妙であり、現在のワイヤープローブとマトリックス型位置検出器では位置検出領域と精度が不足することがわかった。これらの実験調整に時間がかかり、今年度予定していたエネルギー分析器のエネルギー較正試験が来年度にずれこむこととなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
エネルギー分析器を検出ビームラインに設置するに当たっては、エネルギー分析器スリット前面に到達するビームの位置と広がりを精度良く検出する必要がある。そこで、位置検出器を作製・取り付け、四重極レンズ電圧を調整してビーム輝度の向上をめざす。そのため、予算の一部を来年度に繰り越し、この位置検出器製作費に当てる。
|
Research Products
(3 results)