2011 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレータ実装制御システムを備えた次世代プロセス用プラズマ源の研究
Project/Area Number |
23340178
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
八坂 保能 神戸大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30109037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹野 裕正 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90216929)
中本 聡 神戸大学, 工学研究科, 助手 (10198260)
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Keywords | プラズマ / マイクロ波 / シミュレーション / 分布制御 |
Research Abstract |
LSI生産ラインのマイクロ波プラズマプロセス装置では、プロセス条件等から、経験則に基づいてプラズマ源の電力やガス供給のON/OFFフィードバック制御を行う。本研究では、先ず「結果としての装置出力量」から「それをもたらす装置入力量」を求めるための逆問題シミュレーションを確立して、プラズマ物理に立脚した制御アルゴリズムを構築し、次いで、独自開発のスロットアンテナが持つ放射電界分布調整機能を利用してプラズマの電力吸収分布を制御する手法を確立することが目的である。 逆問題シミュレーションに関しては、内部変数としての電力吸収分布と密度分布を半径方向にルジャンドル展開して、その低次係数のみにより分布を表現する手法を採用し、多変数非線形問題を少数のパラメータの最適値探索問題に帰着させた。探索アルゴリズムとして2分探索法と逆計算法を検討し、両者とも等価的に逆シミュレーションが可能であり、目標密度分布を実現するために必要な電力吸収分布を求められることを示した。 マイクロ波アンテナからの放射電界分布制御に関しては、スロットアンテナのキャビティ空間を半径方向に2つに分割し、2重同軸給電により2系統のマイクロ波電源をそれぞれの分割空間に供給して、放射電界を重ね合わせる方法により、300mm直径内において数%の高い均一性を持ち、半径方向の密度勾配を任意に変化可能なプラズマ生成を実現した。関連して、マイクロ波電源の発振周波数の差異が生成密度分布に及ぼす影響を調べている。 さらに、既設マイクロ波プラズマ実験装置(300mmウェハ用)を改造して、450mmウェハ対応チャンバーとし、評価用のアンテナを用いたプラズマ生成を行い、各調整機構の性能とその適用範囲を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の2つの柱である逆問題シミュレーションと放射電界分布制御のそれぞれについて、当初研究計画に沿った結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションコード開発において、将来の制御システムへの組み込みを考慮し、並列計算化を導入して計算時間の短縮を図る。また、電界強度分布に数値係数を付加し、所望分布と計算結果が一致するように数値係数を未定乗数法によって最適化する手法も考える。実験においては、450mmウェハ対応チャンバーのマイクロ波系を整備し、分布制御の可変範囲を拡大する。
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Research Products
(4 results)