2011 Fiscal Year Annual Research Report
粉体ターゲットスパッタリング機構による新規な機能性薄膜の試作とその機構解明
Project/Area Number |
23340181
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
川崎 仁晴 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (10253494)
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Keywords | 粉体ターゲット / スパッタリング成膜 / 機能性薄膜 / プラズマプロセス / 電気電子材料 |
Research Abstract |
粉体をそのままターゲットとして利用して、多元素の機能性薄膜や磁性膜、有機EL薄膜等を作製する粉体ターゲットスパッタリングによる薄膜堆積過程を解明、実用化する。このとき粉体スパッタリングプラズマの特性を発光分光法や吸収分光法、光散乱法、マスアナライザー等を用いて詳細に分析し、その成長機構を調べる。また、一般的なスパッタ法と比較することによって、この粉体ターゲットスパッタ法の特徴(長所)を、これまで作製が困難であった粉体(C_6H_<12>N_4)を用いたCN薄膜の作製や、有機EL薄膜の作製に利用できるモノマー有機材料、比較的容易に作製できる精度の高い粉体多元素ターゲット、を利用した粉体スパッタ薄膜作製に利用する。本年度はまず準備段階として、現有のスパッタ装置を、粉体用に改造し、粉体スパッタリング成膜ができるようにした。その後、まずこれまで本研究室で行ってきたTiO_2薄膜を、粉体および固体のターゲットを用いて作製し、膜質の比較を行った。粉体のTiターゲットを用い、雰囲気ガスとして酸素ガスを混入すると固体ターゲットを用いた場合よりも酸化が進むことが分かった。これは、ターゲットそのものの酸化の割合と実質的な表面の増加のためだと考えられる。すなわち、粉体表面は、大気中で酸化されているため、成膜時にスパッタされた酸素の割合も多いと予想される。また、スパッタ粒子そのものがTiO_2の形をしている可能性もあり、今後はそれを調べてゆく必要がある。同様に結晶性に関しても調べたが、ターグットの種類によって結晶性に大きな変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粉体スパッタの実験に関しては、計画通り進んでおり、薄膜生成や作製した薄膜の分析に関しては、当初の予想以上の速度で進んでいる。特に、粉体で作製した薄膜の膜質がバルクターゲットの場合とほぼ同様であることなど新規な点が解った。しかしながら、当初に掲げた、成膜中のプラズマの計測は充分に行えていない。その点を加味し(2)おおむね順調に進展している、とさせていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の所順調に進んでいるため大きな変更点は無い。
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Research Products
(33 results)