2012 Fiscal Year Annual Research Report
分光学的精度を目指した分子軌道プログラムの高度生成
Project/Area Number |
23350009
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
天能 精一郎 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (00270471)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 電子相関 |
Research Abstract |
前年度までに,一般的な結合クラスター理論の稼働方程式を生成するプログラム開発が終了している。又,多参照結合クラスター理論については,自動生成を用いないMukherjee型のコードをF12理論に拡張し,そのテスト計算が完了している。更に,直接摂動論に基づく四成分相対論でのF12理論を定式化と二次摂動理論の範囲での実装が行われている。 以上を基にH24年度は,応用計算に絶える高効率の計算コード生成を行った。既にストリングスによる高次の電子結合クラスター法の実装方法はハンガリーのKallayらによって提案されているが,指数を動的に並び替えることによってメモリーアクセスと演算量の減少を図り,さらに効率的な実装を検討した。又,大規模高精度計算を実現するためには,部分的に分子軌道に積分変換せず原子軌道積分のまま計算を行う方が高い計算効率が得られるので,原子軌道積分表示の実装の検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
単参照理論での自動生成が完了し,実用的な計算に向けたチューニングを行うレベルまで達している。又,多参照理論についても当初の計画に沿った進捗が行われている。それに加えて,四成分相対論で直接摂動論に基づくF12理論の定式化にも成功しており,課題に着手した時点の予想を超えた成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発作業の継続を行うと共に,大規模分子系を含む高精度の応用計算に着手する。又,決定論的なアプローチである自動生成に加えて,確率的な手法を取り入れ,更なる発展を検討する。
|
Research Products
(9 results)