2011 Fiscal Year Annual Research Report
量子多成分系分子理論システムの構築およびプロトニクス・ポジトロニクスへの展開
Project/Area Number |
23350010
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
立川 仁典 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (00267410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 幸海 横浜市立大学, その他の研究科, 助教 (40453047)
志賀 基之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (40370407)
|
Keywords | 量子多成分系分子理論 / プロトニクス / ポジトロニクス / 量子モンテカルロ法 / 経路積分シミュレーション |
Research Abstract |
これまで申請者は、水素原子核の量子揺らぎや陽電子系にも適用可能な量子多成分系分子理論を開発し、最近では陽電子化合物エネルギーの世界記録樹立といった成果を得た。本研究課題では、当該分野をリードし続けるため、(1)量子多成分系分子理論システムの構築と、(2)高精度・大規模計算の実現といった研究項目を実施する。本年度の研究実績の概要を以下に示す。 (1)量子多成分系分子理論システムの構築: ①主に高精度化を目的とし、以下の手法開発を行った。(①A)量子多成分系MO法では、従来のCI法の拡張(多成分行列要素の効率的な導出等)を行った。(①B)量子多成分系QMC法では、高精度物理量の算出のために、初期試行関数の拡張を行った。②システム実装として、量子多成分系分子理論プログラムの統合を図った。入出力を共通化すると共に、マニュアル整備も始めた。 (2)高精度・大規模計算の実現: ①プロトニクスへの展開として、経路積分分子動力学方を用いて、主に低障壁水素結合をターゲットとした高精度計算を実現した。水素原子核の量子効果の影響、H/D同位体効果を探り、論文として報告した。②ポジトロニクスへの展開として、(1)で開発した量子多成分系MO法や量子多成分系QMC法を用いて、陽電子吸着能に関する高精度計算を実現し、論文として報告した。 なお、研究分担者には(1)①②のシステム構築や、(2)①のプロトニクスへの展開に分担いただいた。研究協力者として、横浜市立大学学生に、(2)全般の計算補助をお願いした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)量子多成分系分子理論システムの構築と、(2)高精度・大規模計算の実現といった研究項目を具体的に実施でき、多くの論文を報告することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度も同じペースで進める予定である。
|
Research Products
(33 results)