2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子多成分系分子理論システムの構築およびプロトニクス・ポジトロニクスへの展開
Project/Area Number |
23350010
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
立川 仁典 横浜市立大学, その他の研究科, 教授 (00267410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 雲兵 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90164417)
志賀 基之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (40370407)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 量子多成分系分子理論 / プロト二クス / ポジトロ二クス / 量子モンテカルロ法 / 経路積分シミュレーション |
Research Abstract |
本研究課題の第一の目的は、我々が展開してきた手法を深化させ、(1)量子多成分系分子理論システムを構築することにある。具体的には、①高精度・大規模手法を開発すると同時に、②効率的並列計算のためのシステムを実装する。第二の目的は、(2)核の量子効果や陽電子を含んだ系の高精度・大規模計算を実現する。これにより①水素・陽子が関わるプロトニクスや②陽電子が関わるポジトロニクスに対して基盤情報を与え、得られた結果を実験グループにフィードバックすることで、それら基盤技術の推進に寄与する。 (1)量子多成分系分子理論システムの構築: ①主に大規模化・高精度化を目的とし、以下の手法開発を行った。(①A)量子多成分系MO法では、大規模計算を可能とするプログラムの実装を行った。(①B)量子多成分系QMC法では、高精度物理量の算出のために、初期試行関数の拡張、および振動状態への適用拡張を行った。②効率的並列化計算のため、特に経路積分に関する並列化を実装した。 (2)高精度・大規模計算の実現: ①プロトニクスへの展開として、(1)で開発した量子多成分系MO法や経路積分分子動力学法を用いて、主に低障壁水素結合をターゲットとした計算を実現した。水素原子核の量子効果の影響、H/D同位体効果に焦点を絞り、論文として報告した。②ポジトロニクスへの展開として、(1)で開発した量子多成分系MO法や量子多成分系QMC法を用いて、陽電子吸着能に関する高精度計算を、さらには振動状態を考慮した計算も実現し、論文として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想以上に論文も報告することができ、順調に進展できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、理論開発と具体的計算を並行して実施していきたい。
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