2013 Fiscal Year Annual Research Report
未利用カルコゲン資源を反応剤に使う合成化学を実現する金属錯体の創成
Project/Area Number |
23350027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 秀樹 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00315970)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 金属錯体 / タングステン / モリブデン / オスミウム / ルテニウム / 過酸化水素 / 硫黄 |
Research Abstract |
地球上の天然資源を直接の反応剤として合成化学に利用する酸化還元触媒を開発することは、物質循環や環境問題などの社会的なニーズから今後ますます重要な課題になると考えられる。本研究課題では、金属錯体と硫黄やセレン、水素化硫化物イオンや水素化セレン化物イオン、過酸化水素などとの反応を検討するとともに、各種有機基質が存在する条件下での反応もおこない、原子移動反応系を構築する。窒素系四座配位子を持つ単核ルテニウム二価錯体を合成した。触媒量のルテニウム錯体下で無機硫黄とノルボルネンとの反応において、二重結合部に硫黄が挿入された化合物を得た。ノルボルネンが存在しないと、ジスルフィド基で架橋された二核ルテニウム三価錯体が得られるため、この二核錯体が活性種であると考えられる。硫黄やセレンを利用するモリブデン・タングステン酵素モデルの系では、水素化スルフィドイオンやそのセレン誘導体を原料として、末端スルフィド基や末端セレニド基を有するモリブデン・タングステン錯体を合成した。合成した錯体から三級リンに対する原子移動反応性を検討した結果、セレニド基の移動が硫黄原子移動よりも速く進行した。反応速度論的な解析により、この反応は熱的支配ではなく速度論的支配であることを明らかにした。含窒素四座配位子を持つオスミウム三価錯体を合成し、これを触媒に用い、過酸化水素を酸化剤としてアルケンのジオール化反応を検討した。様々な電子状態や立体構造をとるアルケンに対して高効率的・シス選択的なジオール化反応が進行することを見出した。活性酸化剤をオスミウム五価オキソヒドロキソ錯体であると特定し、触媒反応機構を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] A new series of bis(ene-1,2-dithiolato)tungsten(IV), -(V), -(VI) complexes as reaction centre models of tungsten enzymes: Preparation, crystal structures and spectroscopic properties2013
Author(s)
Hideki Sugimoto, Kohei Hatakeda, Kazuo Toyota, Susumu Tatemoto, Minoru Kubo, Takashi Ogura, Shinobu Itoh
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Journal Title
Dalton Transactions
Volume: 42
Pages: 3059-3070
DOI
Peer Reviewed
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