2011 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスプレーイオン化質量分析法を基軸とする新たな無機微量分析体系の構築
Project/Area Number |
23350030
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
角田 欣一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30175468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 弘樹 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (80397603)
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Keywords | エレクトロスプレーイオン化質量分析法 / 無機微量分析 / オンライン脱塩法 / オキソ酸イオン / 三元錯体 |
Research Abstract |
汎用的なエレクトロスプレー質量分析装置を用いて、生物・環境試料など様々な実試料中の全無機イオンを、網羅的かつ迅速、高感度に定量できる新規な分析システムの開発を目指している。本年度は、(1)オンライン脱塩法の開発、(2)金属イオン定量の高感度化のための検討、(3)有害オキソ酸の定量法の開発、(4)三元錯体生成を用いる陰イオンの定量法の開発、の4項目について検討を行った。(1)に関しては、微小流路チャネルを陽イオンまたは陰イオン交換膜で挟みこんだ電気透析式脱塩セルを自作した。脱塩効率を、塩化ナトリウム水溶液を用いて評価したところ、90%以上の塩化ナトリウムを除去出来ることが分かった。この結果は今後の研究の基礎となると考えられる。(2)に関しては、固相抽出法を用いる2価重金属イオンの分離・濃縮法を開発し、生物標準試料の分析に応用し良好な結果を得ることができた。(3)に関しては6価クロムの定量法をほぼ完成させたが、他のオキソ酸の探索は、次年度以降の課題として残った。(4)に関しては、シアン化物イオンの超高感度定量法を確立したが、チオシアン酸イオンやアンモニアについてはうまくいかなかった。そのため、今後も検討を継続する予定である。さらに、クロム酸イオンとカルボン酸の脱水反応がエレクトロスプレー部分で高効率に起こることを新たに見出した。この反応は、新たな誘導体化法としても期待できると考えられるので、今後、その有用性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(3)、(4)の項目など、若干の遅れが生じている項目もあるが、中心的な課題である(1)、(2)に関しては順調に研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記課題(1)などが順調に進行しているため、概ね、これまでの計画通り研究を進める予定である。さらに、研究の過程で、クロム酸イオンとカルボン酸の脱水反応がエレクトロスプレー部分で高効率に起こることを新たに見出した。この反応は、新たな誘導体化法としても期待できると考えられるので、これまでの計画に加えて、今後、その有用性を検証する予定である。
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[Presentation] Application of Electrospray Ionization Mass Spectrometry to the Determination of Inorganic Ions in Environmental Samples,, Jeju, Korea (2011.11.2)2011
Author(s)
Kinichi Tsunoda, Hiroki Hotta, Kiichi Sato, Shota Kurihara, Rie Saito, Kazuki Shimotori
Organizer
CJK2011 : 2011China-Japan-Korea Symposium of Analytical Science on Food, Environment, and Nano-Technology
Place of Presentation
済州島、韓国(Invited)
Year and Date
2011-11-02
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