2013 Fiscal Year Annual Research Report
多極子異方吸収による新しいエネルギー準位創出と表面増強ラマン分光法への応用
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23350031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 健 京都大学, 化学研究所, 教授 (30258123)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ラマン分光法 / 多極子相互作用 / 粗表面 / 微粒子界面 / 吸着分子構造 / 赤外分光法 / 表面選択律 |
Research Abstract |
最初の2年間で,金ナノ粒子薄膜を用いた表面増強ラマン散乱(SERS)分光法の基礎に,局在プラズモン吸収異方性の考え方を導入する研究を行った.さらに,有機超薄膜を非共鳴条件で偏光解消度を定量性良く測定できる光学系を完成させ,並行して偏光ラマンスペクトルから分子配向を定量的に引き出すための理論的枠組みの構築にも成功した.具体的な内容を以下にまとめる. 1) 拡散反射測定の仕組みを抜本的に見直す研究を,実験と理論の両面から検討する.2) 基板としてよく用いる表面酸化シリコンの表面の酸化状態を,酸化層のLOモードの測定とSAM膜反応性の両面から検討する.3) 基板表面のラフネスと表面疎水性の程度の相関を,表面に存在する微量の分子水に着目して解析する テーマ1)は,赤外拡散反射法を利用して詳しく解析する.具体的には,表面が荒れたアルミナの板を用い,粗さの程度をAFMで観察したあと,拡散反射法とクロスニコル偏光測定を組み合わせた角度変化スペクトルを測定する.クロスニコル条件を使うことで正反射成分を除去し,拡散反射成分に含まれる多重反射と粒子内透過の2成分を割り出す.想定外の成分が現れた場合には,それが拡散反射の定量性を崩す要因と考えられるため,光学計算などから詳しく解析した. テーマ2)では,きわめて多用されるシリコン板表面の酸化の程度が薄膜形成およびスペクトル測定に与える影響を検討する.たとえば,赤外MAIRS測定に原理的にシリコンは適用できる材料だが,表面の酸化層が示す低屈折率により測定が大きく阻害される.また酸化層の深さは,表面に作るSAM膜の成否にも大きく影響する.これをラマン分光法で測定・解析可能にするため,酸化層そのものの詳しい光学モード解析を行った. テーマ3)では,粗表面での吸着分子の構造解析を可能にするため,赤外分光法での表面選択律を明らかにする研究を行った.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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