2013 Fiscal Year Annual Research Report
メソトリックを利用して一段階反応で複数の不斉中心炭素を構築する方法の新展開
Project/Area Number |
23350043
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 昌彦 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60192704)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メソ化合物 / シッフ塩基配位子 / 光学活性トリオール / オキシリピン類 / 光学活性アミノジオール / 光学活性ジアミノオール / オゾン酸化 |
Research Abstract |
メソ化合物である4,5-エポキシシクロヘキサ-1-エンに対し、独自に開発した銅(I)-N,N-二座シッフ塩基錯体触媒(5 mol%)存在下に、t-ブチル過安息香酸を用いてアリル位に不斉酸素導入反応を行うと(3S,4S,5S)-3-benzoyloxy-4,5-epoxycyclohex-1-eneが化学収率54%、不斉収率84% eeで得られた。この一回の反応で三か所の不斉中心炭素が構築できる。ベンゾイル基をp-ニトロベンゾイル基に変換した後、再結晶をすることで光学純度を100%にすることができた。 次に、エポキシドを水で開環してすることで水酸基が三連続炭素に水酸基が付いた環状化合物を合成した。 続いて、二重結合部分をオゾン酸化することにより、オキシピリン類に代表される鎖状化合物で連続した不斉中心炭素をもつトリオール化合物を光学純度100%で合成した。オキシピン類の多くは相対配置は決定されてはいるものの絶対配置については未知の化合物が多かった。私たちの方法でオキシピン類を合成することにより天然の化合物の絶対配置が決定できた。 さらに、エポキシドを水の代わりにアジドで開環することにより、アミノ基への還元を経てアミノジオール、さらにはエポキシドをアジリジンに変換した後、アジドで開環することによってジアミノオールの合成も達成した。このように、三連続不斉中心炭素をもつトリオール、アミノジオール、ジアミノオールをいずれも光学純度100%で合成することができた。本手法は光学活性天然物、非天然物合成の有効な手法になると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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