2012 Fiscal Year Annual Research Report
複合型活性種の高度制御による新規カルボニル化法の創製
Project/Area Number |
23350045
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80210821)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 高英 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60332962)
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60566298)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | カルボニル化 / 非対称ケトン / アルキルアリールケトン / アシルリチウム / C-Hカルボニル化 / 光照射 / パラジウム / カルバモイルアセテート |
Research Abstract |
パラジウム/光照射系を用いてαーヨウド酢酸エステルと一酸化炭素とアミンの反応を試みた結果、カルバモイルアセテートの合成に成功した。ヨウ化アルキルを用いた遷移金属触媒によるカルボニル化はβ-脱離が起るため、効率の良い成功例は稀である。パラジウム/光照射系を用いてヨウ化アルキルとアリールボロン酸を一酸化炭素の共存系で反応させた。その結果、非対称ケトンであるアルキルアリールケトンが良好な収率で得られる事を見出した。また4-ペンテニルヨージドを用いて反応を行なったところ、2位にベンゾイルメチル基を持ったシクロペンタノンが一段で合成可能となった。この反応では二分子の一酸化炭素がジケトンの二つのカルボニル基として導入された。 有機リチウム試薬のカルボニル化反応を検討したが、熱効率の良いマイクロリアクターを用いて実験を行なった。α―シリルアリルリチウムと一酸化炭素との反応は対応するアシルリチウムを第一中間体として与える反応であるが、α―シリルアリルリチウムが安定なため、一酸化炭素との反応は緩慢である。この反応をマイクロフロー系を用い、加圧(8atm)、加熱下(80℃)で行なったところ、反応は迅速にかつ良好に進行することを見出した。 さらに末端アセチレンと一酸化炭素とアミジン類との反応をスズヒドリドの共存するラジカル反応条件で検討したところ、[2+2+1]型の付加環化反応が生起し、5員環の不飽和ラクタムが良い収率で合成できた。この環化カルボニル化反応は反応機構的にはラジカル反応とイオン反応のハイブリッド型の反応である。アミジンが非環状構造を保つ場合には、環化が抑制され、アミド型の生成物が主に得られることも明らかとなった。 ポリオキソタングステートを光触媒とするC-Hカルボニル化をシクロペンタノンを基質とし検討したところ、カルボニル基のβ位で位置選択的にカルボニル化が生起する事を見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アリールボロン酸をカップリングパートナーとする非対称ケトンの合成に成功したが、これは当初の計画以上の成果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を踏まえ、各種ボロン酸でのケトン合成を推進する。 光触媒による位置選択的なC-Hカルボニル化においては様々なカルボニル化合物について照準を合わせる。
|
Research Products
(10 results)