2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機電荷移動錯体・半導体の界面制御と有機トランジスタへの展開
Project/Area Number |
23350061
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 健彦 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60174372)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 有機トランジスタ / 有機伝導体 / 有機半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘキサメチレンテトラチアフルバレン(HMTTF)を活性層に用い、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)の蒸着で電極部分を作成することによって移動度1 cm2/Vsを超えるセルフコンタクト有機トランジスタを実現した。同様にHMTTFにインクジェット印刷によってTCNQをドープすることによって、移動度1 cm2/Vsを超えるセルフコンタクト有機トランジスタを印刷法によって実現した。この方法では活性層、ソース・ドレイン電極がすべて有機物となるので、さらに有機基板上にポリチオフェン系伝導体を塗布したものをゲートとし、その上にパリレンをコートしたものをゲート絶縁層として、基板から電極まですべてを有機物で作製したオール有機のセルフコンタクトトランジスタを実現した。ジメチルジシアノキノンジイミン(DMDCNQI)にCuI溶液を印刷することによってn型のセルフコンタクトトランジスタを実現した。このようなセルフコンタクト有機トランジスタを作製するため、有機半導体として優秀で、かつ高伝導の有機伝導体をつくる有機分子の開発を進めた。有機トランジスタ材料として注目を集めているベンゾチエノベンゾチオフェン(BTBT)が、(BTBT)2PF6という組成の非常に高伝導の電荷移動錯体をつくることを見出した。さらにそのセレン体も(BSBS)2TaF6という同型の伝導体を作り、BTBT塩の150 Kよりは低温の90 Kまで金属性を保ち、低温でのエネルギーギャップも小さくなることを検証した。アンバイポーラ有機半導体として、インジゴ誘導体を検討してきたが、これに類似した化合物として、ビナフチル系のセミキノンがアンバイポーラトランジスタ特性を示すことを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であったセルフコンタクト有機トランジスタにおいて、オール有機のデバイスで移動度1 cm2/Vsを超える優秀なものを実現することができた。アンバイポーラ有機半導体として予想外の物質を見つけることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
有機トランジスタの界面制御の研究と並行して、研究が急激に進展している低分子アンバイポーラ有機半導体の開発を重点的に推進していく。
|
Research Products
(28 results)