2011 Fiscal Year Annual Research Report
少数原子クラスター内包系のスピン・構造状態制御による物性発現機構の理論的解明
Project/Area Number |
23350064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥村 光隆 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40356712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 秀介 大阪大学, 理学研究科, 助教 (10324865)
北河 康隆 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60362612)
川上 貴資 大阪大学, 理学研究科, 助教 (30321748)
長尾 秀美 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30291892)
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Keywords | ナノ材料 / 理論計算 / サブナノクラスター / 光特性 / 磁気特性 / 化学反応性 |
Research Abstract |
有限個の原子から構成される巨大分子、複核の金属錯体やシングルナノサイズ以下のクラスター等の系では、バルク固体とは異なる擬縮重した電子状態に由来する開殻電子が誘起する電荷分極やスピン分極が物性発現に非常に重要な役割を果たす。その代表例が磁気的な性質であるが、この磁性を発現する電子状態が光学特性、電気伝導性や化学反応性に影響を与えて、特異な物性が発現することがある。このような特性は、それらの系に含まれる原子数の増滅や立体構造の変化により大きく変化させることが可能となることが予想される。しかしながら、具体的な構造と物性の関連性は、明らかになっていない。そこで我々は、第一原理計算等によりこのようなシングルナノサイズ以下の実在系及びモデル系を系統的に解析し、擬縮重した電子状態に連動する物性発現機構を理論的に解明する。 特にそれら諸物性が、配位子やイオンなどの存在による化学的圧力や系に含まれる多核金属原子集合体等の立体構造や構成する原子数の変化によりどのように変化するかについて詳細に検討する。また、対象となる物質系を単に有機、無機材料や金属、非金属という元素由来の分類学ではなく、より根源的な擬縮重する電子状態に由来する物性発現機構の理解という観点から俯瞰的にとらえ、第一原理的な理論計算等により得られる情報から対象系の物性・機能の合理的な解釈を試みるものである。このような概念形成は、ボトムアップで新規機能性物質を構築していくための礎になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフェン上への酸素吸着、多核金クラスター錯体の光吸収などの理論計算において、成果が上がりつつ有り、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には,さらなる大規模系への展開も見据えて主メモリーの搭載量の大きなマルチコアcpu搭載の計算機を購入し、実在系への展開を促進させる。
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Research Products
(12 results)