2011 Fiscal Year Annual Research Report
モジュール型分子設計を駆使するπ電子系化合物の配列多様性とそのヘテロ接合体の創出
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23350070
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
新海 征治 崇城大学, 工学部, 教授 (20038045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 俊一 崇城大学, 工学部, 准教授 (10454951)
土屋 陽一 九州先端科学技術研究所, ナノテク研究室, 研究員 (10517212)
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Keywords | 超分子化学 / 多糖 / 有機半導体 / 刺激応答 / 自己組織化 |
Research Abstract |
今年度は、これまで極めて困難とされたπ電子系化合物の配列制御を実現することを目標として、[π電子系化合物]-[刺激応答部位]-[構造形成部位]の構成からなるモジュール方式を採用したオリゴチオフェン型の目的化合物の合成を行い、その自己組織化について検討を行った。あわせて、このオリゴチオフェン双頭型分子と組み合わせることで、自己組織化によるナノサイズのヘテロ接合の形成を目指して、アンモニウム骨格を両端に保つ一連の双頭型ペリレン分子を合成した。 π電子系化合物としてオリゴチオフェンの両端に、構造形成部位となるアミド基を介して刺激応答部位であるクラウンエーテル骨格を導入した双頭型分子を合成し、それらの自己組織能を検討したところ、繊維状の一次元会合特性を示し、種々の有機溶媒をゲル化することが確認された。構造形成部位を取り除いた類縁体では、一次元会合特性は観察されなかったことから、この部位の有用性が確認された。また、クラウンエーテル部のゲストと成り得るキラルなアンモニウムカチオンをこの系に添加したところ、形成するゲルがCD活性になる事が明らかとなった。これは、この双頭型分子が一次元積層する際にクラウンエーテル部に与えられたキラル刺激に応答して、螺旋状に積層するためと結論付けた。興味深いことに、ゲスト不在下でのゲルは物理的振動による破壊に対して不可逆であり、ゲルを再形成することはないのに対して、ビスアンモニウム型のゲスト分子存在下では物理的破壊に対して可逆的にゲルが修復・再形成する「チキソトロピー」を獲得することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度想定していた目的化合物の合成、ライブラリ化に成功し,これらの自己組織能を評価することで、分子設計の合理性を証明できた。また、刺激をコントロールすることで、光学活性などの意図した機能を付与できることを証明しただけでなく、チキソトロピーなどの想定外の興味深い特性の発現に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多様な構造特性を持つπ電子系分子の名の構造体の創製を目指して、特に構造形成部位に様々な分子を採用した分子を合成し、その自己組織化特性を評価する。さらに、本研究の目標の一つであるナノサイズの有機ヘテロ接合を自己組織化により達成することを目指して、ドナー分子とアクセプター分子のそれぞれをライブラリ化する。ヘテロ接合の形成の為には、ドナー分子とアクセプター分子の自己組織化が協同的に進行することが必要となるので、分子設計と自己組織能の相関を詳細に検討して、高度な自己組織化を実現できる条件を見出す。
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[Journal Article] Fine Wettability Control Created by a Photochemical Combination Method for Inkjet Printing on Self-Assembled Monolayers2012
Author(s)
Youichi TSUCHIYA, Shuichi HARAGUCHI, Masashi OGAWA, Tomohiro SHIRAKI, Hidenobu KAKIMOTO, Osamu GOTOU, Takeshi YAMADA, Kenji OKUMOTO, Shuhei NAKATANI, Kei SAKANOUE, Seiji SHINKAI
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Journal Title
Advanced Materials
Volume: 24
Pages: 968-972
DOI
Peer Reviewed
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