2013 Fiscal Year Annual Research Report
環状不凍糖ペプチドの迅速合成と不凍化分子機構の解明
Project/Area Number |
23350074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
比能 洋 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 准教授 (70333333)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環状ペプチド / 溶媒効果 / pKa / 環化率 |
Research Abstract |
昨年までに見出したフッ素化アルコールを用いた新規ペプチド環化法の一般性について検証した。検証対象としてIntegrin αVβ3 アンタゴニストである環状RGDペプチド、抗マラリア活性が報告されているmahafacyclin B、腫瘍細胞障害性が報告されているcherimolacyclopeptide E、をそれぞれ選択した。不凍環状糖ペプチド同じく10 mM溶液中で縮合剤にDIC、添加剤にHOAtを使用し、DMF中またはフッ素化アルコールを含む各種アルコールとジクロロメタン(DCM)の等量混合液中での環化特性を評価した。その結果、もともと反応性の高い環状RGDペプチドではいずれの溶媒条件でも高収率で環化物が得られた。一方、mahafacyclin Bの合成においては環状AFGPと同様にフッ素化アルコールを用いた系以外では懸濁液となり、環化収率が著しく低下した(3~15%)が、2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)―DCM溶液中では環化率94%(HPLC)で生成物を与えた。これまでの報告例では0.1mM DMF溶液中で環化率10%(単離)、0.03mM DMF中で環化率30%(HPLC)でありその単離には高沸点のDMFの留去と分液操作が必要であり、環化効率の飛躍的に改良に成功した。最後にcherimolacyclopeptide Eペプチドの環化を試みたところ、いずれの溶媒系にも溶解し、DMF中では23%の環化率であったがフッ素化アルコールおよびアルコール中では47~76%といずれも良好な環化効率を示し、TFE-DCM系が最高収率を示した。また、大変興味深いことに、フッ素化アルコールに限らず、アルコール系溶媒のpKaが小さくなるに応じて二量体型副生成が少なくなり、エステル型副生成物が増加し、TFE-DCM系で環化効率が極大化した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)