2011 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡を用いた1分子計測による糖鎖構造および機能解析
Project/Area Number |
23350078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 俊明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (50262308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊太郎 甲南大学, 付置研究所, 講師 (40456257)
川崎 剛美 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (60334504)
古澤 宏幸 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (60345395)
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Keywords | 糖転移酵素 / 一分子計測 / 力学計測法 / 高速AFM / 高感度水晶発振子マイクロバランス |
Research Abstract |
1分子力学計測法による糖鎖伸長反応を利用して、膜タンパク質酵素の反応を1分子レベルで追跡することを目的としており、マイカ基板上にソフトに糖鎖高分子を固定化することにより、糖鎖末端からの酵素反応を1分子計測することを目指している。本年度はAFMフォースカーブ測定による糖鎖-タンパク質間の相互作用並びに酵素反応解析に照準をあてて、糖鎖結合タンパク質と糖鎖をそれぞれマイカ基板上及びAFMチップに固定化して両者を接近・離脱することで得られるフォースカーブを解析することで、両者の相互作用の動力学的解析を実施した。次いで、糖鎖結合タンパク質のかわりに糖鎖関連酵素を固定化して、切断力の距離シフトを観察することで、反応解析を行ったところ、1分子レベルの酵素的糖鎖伸長反応をモニタリングできることを明らかにした。基質分子の伸長並びに分解に伴う破断力およびその位置のシフトによる解析で酵素反応を直接リアルタイムに観察した例は報告されておらず、反応をモニタリングできれば、網羅的な糖鎖工学的手法として新規な有用性の高い手法になると考えられる。 さらに他の酵素反応としてβアミラーゼによる糖鎖分解反応、コンドロイチンの一糖交互伸長反応をモニタリングする系を確立した。具体的には高速AFMにて一分子リアルタイム計測をするために、まず、高感度フロー型水晶発振子マイクロバランスにて各動力学的パラメータを求めることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AFMスキャナーの破損による修理のため1分子力学計測については遅れがでたものの、生化学的解析を先に進めることで、研究の推進に大幅な遅れが出ることは避けられた。特に高感度水晶発振子マイクロバランスによる測定法で得られた内容は次年度以降の研究にとても役に立つ。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は一分子計測として力学計測法を確立して、同時に高速AFMによるリアルタイム観察を目指すことに焦点を当てて進める。
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Research Products
(2 results)