2011 Fiscal Year Annual Research Report
高性能有機トランジスタおよび太陽電池を与える新規なN型有機半導体の創出
Project/Area Number |
23350088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 敬郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90116872)
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Keywords | 有機半導体 / 有機トランジスタ / 有機エレクトロニクス / 機能材料 / 電子供与体 / 電子受容体 / 合成化学 |
Research Abstract |
フロンティア軌道エネルギーおよび分子間相互作用を考慮して、ヘテロ環化合物を基本骨格としたπ拡張電子系を設計・合成して高性能の薄膜トランジスタを開発した。分子構造ならびに分子間相互作用は、単結晶X線晶構造解析で解明し、薄膜構造はX線回折ならびにAFM測定で明らかにした。嵩高い置換基なしでも安定に存在する化合物としてジアザボロールに注目し、種々の誘導体を合成して構造と物性の関係を調べた。電子受容性を高めるためにキノン骨格を導入するとn型トランジスタ特性を示した。こうした分子では、対称分子だけではなく、一つのジアザボロール環からなる非対称分子も良好なn型特性を示すことを見つけた。例えば、ナフトキノン誘導体およびチアジアゾール類縁体は0.04cm^2/Vsの良好な電子移動度を示した。また、3,6-ジアリールチエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジオン誘導体を合成し、n型半導体特性を調べた。アリール基としてトリフルオロメチルフェニル基の導入が、電子受容性の増大ならびに結晶性をよくすること、分子を基板上に配列することに有効であった。カルボニル基をジシアノメチレン基に変換した分子は、電子受容性が高くなり,そのFETデバイスは大気安定性を示した。ジケトピロロピロールは平面性の高い分子で、NH体では水素結合によりリボン状のネットワークを形成する。トリフルオロメチルフェニル基を導入した誘導体はn型のFET特性を示し,移動度は0.029cm^2/Vsと良好であった。さらに、ジインデノピラジン環に末端置換基として長鎖アルキル基やtブチル基を導入して溶媒に可溶な半導体を開発し、溶液法でFETデバイスを作製した。これらの新規に開発したn型半導体を薄膜有機太陽電池に応用し、フラーレンに替わるn型半導体の探索をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規なn型半導体を開発しており、それらを活性層とする電界効果トランジスタが良好なn型特性を示している。これらの結果を国際誌に発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
新規な半導体の開発を続行し、構造と物性の関係を明らかにする。これらの知見を分子設計にフィードバックし、さらに高性能のn型半導体を開発する。実用化に向けて、溶解度にすぐれた物質を合成し,溶液法プロセスの適用をはかる。大気安定性を向上させるために、半導体の電子受容性を高め、LUMO準位の低下を図る。薄膜有機太陽電池の研究では、フラーレンに替わるn型有機半導体の開発を目指しているが、トランジスタ性能の高い半導体を用いても、太陽電池特性はまだ低いのが現状である。今後は、半導体の次元性を高めて、キャリア移動がスムースに行えるように計画している。
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Research Products
(16 results)