2013 Fiscal Year Annual Research Report
超安定型アニオン交換膜の創製とアルカリ形燃料電池の高性能化
Project/Area Number |
23350089
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮武 健治 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (50277761)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 燃料電池 / アニオン伝導 / 高分子電解質 / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
本年度は、アニオン交換膜を用いて膜電極接合体を作製し、燃料電池発電特性を評価した。疎水部にスルホンとケトンを含む芳香族オリゴエーテル、親水部にアンモニウム置換フルオレンを含む芳香族オリゴエーテル、から成る高分子電解質QPE-bl-1膜を選定した。アンモニウム基としては合成の容易さ、溶解性、化学安定性の点からトリメチルアンモニウム基を用いた。QPE-bl-1膜はブロック構造に基づく親疎水相分離構造が発達していることが透過型電子顕微鏡像より確認し、水中で144mS/cmという非常に高い水酸化物イオン伝導度を示した。また、80℃の水中において5000時間の耐久性後でも高い伝導度を保持し、優れた化学安定性を示した。 QPE-bl-1を用いて膜電極接合体(MEA)を作製した。アノード触媒にはニッケル粉末、カソード触媒にはコバルト/ポリピロール錯体を用いて、触媒コート(CCM)法によって作製した。このMEAを用いて、ヒドラジン水溶液を燃料とする燃料電池運転実験を行った。燃料にはヒドラジニウムの生成抑制と電解質膜の導電率向上、カソードにおける酸素還元反応促進のために水酸化カリウムを加えた。この燃料電池の開回路電圧(OCV)は、酸素および空気を酸化剤に用いた場合にそれぞれ0.76V、0.71Vであった。水素を燃料に用いた一般的な燃料電池(OCV=ca. 1.0V)に比べてOCVは低いのは、電解質膜中をヒドラジンが透過するためである(30℃における電解質膜中のヒドラジン透過率は2.3g mm/m2 h)。出力特性も良好であり、最高出力は酸素および空気を酸化剤に用いた場合にそれぞれ297mW/cm2(電流密度826mA/cm2)、161mW/cm2(電流密度446mA/cm2)を達成した。QPE-bl-1膜がアルカリ形燃料電池において優れた特性を示すことを実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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