2011 Fiscal Year Annual Research Report
14族無機元素とπ電子系の組み合わせによる新奇有機薄膜太陽電池材料の開発
Project/Area Number |
23350097
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大下 浄治 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90201376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 陽介 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60403581)
水雲 智信 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90436676)
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Keywords | 機能性有機材料 / 有機薄膜太陽電池 / 有機ケイ素化学 / 機能高分子 / 機能性色素 |
Research Abstract |
本研究は、有機太陽電池などの光電変換材料への利用を目的として、14族元素でπ電子系を架橋した分子を構築し、その元素-π電子系の相互作用を解明・材料化することを計画している。2011年度は、具体的に以下の様な成果を挙げた。 1.モノシラン、ジシランおよびモノゲルマン基で架橋した新しいビチオフェン、ビフェニルを合成し、その化学的、物理的性質を明らかにするとともに、モノゲルマン基-架橋ビチオフェン(DTG)をドナーとして、各種のアクセプターユニットと高分子化し、さらにフラーレン誘導体との組織化によって、光電変換効率2%程度のバルクヘテロ接合(BHJ)型の薄膜太陽電池を作製することに成功した。また、この材料性能を理解するための分子軌道計算を行った。 2.異種のπ電子系をケイ素架橋したドナー・アクセプター型の分子を各種合成し、それらの分子軌道計算、吸収・発光スペクトルの解析などの光学的性質の詳細な検討によって、光励起による効率よいエネルギー移動・電子移動が分子内のπ電子系間で起こっている系を見出した。さらに、このユニットを有するポリマーの合成に着手した。 3.オリゴチオフェンとケイ素基からなる星型構造を基本骨格としたポリマーの合成を行い、熱的・光学的性質を検討した。また、ポリマーの機能についても検討を開始した。 以上の成果は、基礎的な知見として有機薄膜太陽電池材料を代奉とする新奇な有機電子デバイス材料の創製につながる重要なものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14族元素でπ電子系を架橋した骨格としてジチエノシロール、ゲルモールを含む化合物・ポリマーが発光材料・有機薄膜太陽電池材料として機能することを報告した。また、未発表ではあるが、ケイ素で異種のπ電子系を架橋した化合物で、光励起による効率よいエネルギー移動・電子移動が分子内で起こっていることを見出した。これらは、交付申請書の内容と合致する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の知見を展開して、高性能の材料に導くようにさらに検討を続ける。
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Research Products
(12 results)