2012 Fiscal Year Annual Research Report
14族無機元素とπ電子系の組み合わせによる新奇有機薄膜太陽電池材料の開発
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23350097
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大下 浄治 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90201376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 陽介 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60403581)
水雲 智信 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90436676)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機能性有機材料 / 有機薄膜太陽電池 / 有機ケイ素化学 / 機能高分子 / 機能性色素 |
Research Abstract |
本研究は、Si、Geなどの炭素以外の14族無機元素とπ電子系との軌道間相互作用を基盤とする高性能の光電変換材料の創生を図ることを目的としている。本年度は、昨年度の研究成果をもとにして、新規に合成したD-Si-A型構造の高分子量化と特性評価、ケイ素架橋星型オリゴチオフェン骨格を有するポリマーの物性評価と機能開発、ジチエノゲルモールを含む新規なπ電子系高分子の合成と光電変換機能の評価・高性能化開発を目指した。具体的な実績を以下に項目ごとに述べる。 1.ジシランおよびモノゲルマン基で架橋した新しいビチオフェ ン、ビフェニルをドナーとして、各種のアクセプターユニットと高分子化し、これを利用してバルクヘテロ接合(BHJ)型の薄膜太陽電池を作製し、6%以上の光電変換効率を得ることに成功した。 2.異種のπ電子系としてオリゴチオフェンとベンゾチアジアゾールをケイ素架橋したドナー・アクセプター型のユニットを有するポリマーの合成を行い、光励起エネルギー移動・電子移動が起こることを見出し、その光電変換材料としてのポテンシャルを明らかにした。 3.オリゴチオフェンとケイ素基からなる星型構造を基本骨格としたポリマーを用いて、薄膜太陽電池材料を作製した。効率は高くないが、新規な分子設計に基づく材料として興味深い。 4.放射光を用いたポリマー純度測定を行い、この手法の有用性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたポリマー合成を行い、薄膜太陽電池材料として評価した。良好なデータも得られており、研究は順調に展開できていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究は、計画通りおおむね順調に進行している。特に、ジシラノビチオフェン、ジチエノゲルモールなどを含むポリマーの開発は、良好な性能の有機薄膜太陽電池へと導くことができた。ケイ素架橋ネットワーク型ポリマーも進み、ケイ素架橋ドナー-アクセプターポリマーに関しては、モデル化合物の合成と評価による構造の最適化を進めている。こん後、さらに研究を展開して、より高性能の有機薄膜材料の開発に取り組む。 具体的には、本研究で開発した14族無機元素で架橋したオリゴチオフェンをドナー型のビルディングブロックとするドナー-アクセプターの共役高分子の合成を行う。また、ドナー部とアクセプター部をケイ素架橋したタイプのポリマーの合成も行う。これらを用いた薄膜太陽電池を作成し、セル構造の最適化を行う。また、このような検討とともに、ジシラン架橋π電子系化合物を用いた界面制御によるセルの高機能化もはかる。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] 金子文弥2013
Author(s)
光捕集機能をもつ新規D-Si-A型ポリマーの合成
Organizer
日本化学会第93回春季年会
Place of Presentation
滋賀
Year and Date
20130322-20130325
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