2013 Fiscal Year Annual Research Report
擬ブルッカイト型構造を有する低熱膨張・環境調和型セラミックス多孔体の応用
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23350100
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 義和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (40357281)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セラミックス / 多孔体 / 擬ブルッカイト / 低熱膨張 / 部材応用 / 固溶体 / 浄水フィルター / 複合置換 |
Research Abstract |
本研究の目的は、二チタン酸マグネシウム(MgTi2O5) を中心とする擬ブルッカイト型構造を有する三次元ネットワーク型多孔体について、「MgTi2O5 多孔体の基礎物性評価」、 「MgTi2O5 を主成分とする擬ブルッカイト系の展開」、さらに、「信頼性・環境調和性・コストを含めた部材応用の高度化」の3つの項目について研究を実施し、低熱膨張・環境調和型セラミックス多孔体の応用を目指すものである。本研究での材料系はMgO、TiO2 など資源的・地政学的リスクが少なく、安全かつ比較的安価な材料を用いていることが特徴であり、資源に乏しいわが国にとっての意義は大きい。平成25年度の研究実績については以下のとおりである。 1.MgTi2O5多孔体のTi4+サイトをFe3+とM5+ (M=Nb, Ta)で複合置換することにより、 MgFeNbO5およびMgFeTaO5多孔体を作製し、機能性擬ブルッカイトの創製についての検討を進めた。(IOP Conf. Series: Mater. Sci. Eng., 54, 012011 (2014).) 2.擬ブルッカイト構造を有するAl2TiO5にMgOを添加することにより、Al2TiO5中にMgAl2O4スピネルが分散した複合材料を作製し、機械的特性の改善に成功した。(J. Ceram. Soc. Jpn., 121 [7] 568-571 (2013).) 3.擬ブルッカイト構造を有するAl2TiO5多孔体について、「造孔剤を用いた細孔径制御」を実施した(J. Ceram. Soc. Jpn., 121 [8] 730-733 (2013).)また、「その場合成」による浄水フィルター応用を進めた(J. Asian Ceram Soc., 1 [2] 178-183 (2013).)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「MgTi2O5 多孔体の基礎物性評価」、 「MgTi2O5 を主成分とする擬ブルッカイト系の展開」、「信頼性・環境調和性・コストを含めた部材応用の高度化」の各項目で進展がみられている。論文化については、無機材料分野で非常に長い歴史をもつ有力ジャーナル(J. Ceram. Soc. Jpn.)や、アジアでのコアジャーナルを目指す新設論文誌(J. Asian Ceram Soc.)等への掲載が続いており、非常に順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおり、4年目では、以下の項目を実施予定である。 (1) MgTi2O5 多孔体の基礎物性評価: 平成26年度は、擬ブルッカイト構造がもつ異方性に着目し、3軸配向材料の合成や異方性低熱膨張材料の合成についての検討を行う。また、MgTi2O5多孔体では、個々の結晶粒がユニークな表面構造を示し、学術的にも非常に興味深い材料が得られている。平成24、25年度に引き続き平成26年度も、フランス・トゥーロン大学のJean-Christophe Valmalette教授のグループと共同で、顕微ラマン-AFM複合解析を用いた結晶粒・ファセット毎の構造解析を行う予定である。 (2) MgTi2O5を主成分とする擬ブルッカイト系の展開: 平成26年度は従来のMgTi2O5-Al2TiO5固溶体系に加え、MgTi2O5のTiサイトをFeイオンとNbあるいはTaイオンで複合置換したMgFeNbO5やMgFeTaO5について検討を進める。これにより、触媒活性発現などの新機能探索を行う。また、MgTi2O5系については、酸化物半導体であることを活かして、色素増感太陽電池用多孔質電極としての応用も検討する。 (3) 信頼性・環境調和性・コストを含めた部材応用の高度化: 平成26年度では、発展途上国での再生可能なオンサイト水質浄化フィルター等の応用に向けた部材応用の高度化を実施する。また、国内・海外研究機関にサンプル提供を行い、多角的な評価を実施する。
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Research Products
(16 results)