2011 Fiscal Year Annual Research Report
B/C/N系層状化合物に対するインターカレーションとエネルギー貯蔵への応用
Project/Area Number |
23350103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
川口 雅之 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10268295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 博行 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10213563)
村松 康司 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50343918)
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Keywords | 層状・層間化合物 / インターカレーション / エネルギー貯蔵 / 二次電池 / 超伝導 / 1族金属 / 2族金属 |
Research Abstract |
2011年度はBC_2N組成の材料を作製し、1族金属としてナトリウムを、2族金属としてマグネシウムをその層間にインターカレートさせる検討、およびその材料の物性評価を行った。その結果、BC_2N組成の材料にナトリウムを電気化学的にインターカレート・デインターカレートさせることができ、この材料がナトリウムイオン二次電池の負極材料としての可能性を有することが確認できた。現在は電解質がBC_2N負極特性に及ぼす影響について調べている。 また、マグネシウムが化学的な方法でBC_2Nにインターカレートされることを見いだした。マグネシウムはイオン化エネルギーが大きいためグラファイトにはインターカレートされず、グラファイト様層状化合物にもインターカレートした例がない。その意味で、今回BC_2Nにマグネシウムがインターカレートされたことは特筆すべき成果であった。この理由として、BC_2Nの電子親和力がグラファイトより大きいという軟X線吸収分光測定の結果から説明した。この成果について、化学に関する権威ある国際雑誌Chemical Communicationsに掲載されることになった。現在は、この層間化合物の電気特性などを調べると共に、米国放射光施設ALSで測定した放射光軟X線吸収スペクトルより化学結合状態を考察している。 以上の成果について、国内学会、国際学会で発表すると共に、上記雑誌の他、国内の雑誌にも投稿・掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BC_2N組成の材料にナトリウムを電気化学的にインターカレート・デインターカレートさせることができ、この材料がナトリウムイオン二次電池の負極材料としての可能性を有することが確認できた。また、マグネシウムが化学的な方法でBC_2Nにインターカレートされることを見いだした。ただし、マグネシウムの方は電気化学的にインターカレートさせることには成功していないので、それが今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
BC_2N組成の材料に対して、様々な電解質を用いて電気化学特性評価を行うことにより、ナトリウムイオン二次電池の負極材料としての有望性を確認する。また、同材料に対して、マグネシウムの電気化学的インターカレーションを試みる。一方、既に化学法でマグネシウムをインターカレートさせたBC_2Nに対し、電気特性を調べる。さらに研究協力者であるフランスCNRSのHerold博士の研究所で合金法を用いてマグネシウムやカルシウムのインターカレーションの有無を確認する。
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Research Products
(13 results)