2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23350104
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (00354217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50267407)
奥山 秀男 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (80354215)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | セラミックス / 構造・機能材料 / 材料加工・処理 |
Research Abstract |
MAX相という高温でも安定な層状化合物系を対象に、提案者らがプロセス開発を進めてきた強磁場中のコロイド成形、さらに通常の加熱法の他にパルス通電加熱、ミリ波焼結により、貝殻類似構造の配向積層体を創製し、強度、靭性といった相反する力学特性の優れた材料系を提示するとともに、さらには未開発の機能特性を探索し、新たな材料系を提示することを目的とした。 Ti3SiC2は最も研究されてきたMAX相セラミックスであるが、従来、緻密なバルク体を得るため、ホットプレス、パルス通電加圧焼結、などの加圧焼結が行われてきた。本年度は、出発原料粉末としてTi、Si、TiC粉末を用い、Siを過剰に加え、Alを添加することにより、常圧焼結で緻密焼結体が作製可能な粉末の合成に成功した。ついで、Ti3SiC2粉末の成形技術の高度化に取り組み、高密度で複雑形状成形が可能なゲルキャスト、膜や積層体成形に適した電気泳動堆積(EPD)、およびスリップキャストを強磁場中で行い、配向成形体の作製に成功した。特に、Ti3SiC2粉末に対して、粉砕および分散手法の確立、無毒な水系新規硬化剤を用いたゲルキャストの適用(J. Ceram. Soc. Jpn.に掲載)、EPDの堆積過程を電極付近のpH変化と表面電位の関係からの説明(J. Ceram. Soc. Jpn.に掲載)、a軸が磁化容易軸であることの実証、回転磁場成形による一方向配向体の作製(J. Am. Ceram. Soc.に掲載)は主要な成果である。回転強磁場中でスリップキャストした成形を常圧焼結することで緻密なc面配向焼結体を作製し、無配向体に比べて、曲げ強度、破壊靱性に優れていること、緻密焼結体は高い電気伝導を示すことを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ti3SiC2系において、常圧焼結で緻密焼結体が作製可能な粉末の合成に成功した。また、緻密なc面配向焼結体を作製し、無配向体に比べて、曲げ強度、破壊靱性に優れていること、緻密焼結体は高い電気伝導を示すことを実証するなど、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
MAX相セラミックス系を窒化物系にも適用し、炭化物系とともに、強磁場中のコロイド成形、さらに通常の加熱法の他にパルス通電加熱、ミリ波焼結により、貝殻類似構造の配向積層体を創製し、強度、靭性といった相反する力学特性の優れた材料系を提示するとともに、さらには未開発の機能特性を探索し、新たな材料系の提示を目指す。さらに、絶縁体セラミックスとの複合化により、電気伝導性セラミックスの創製を試みる。
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